イギリスを訪れた温家宝首相は2日、イギリスの名門・ケンブリッジ大学で「発展の目で中国を見る」をテーマとする講演を行いました。温首相はその際「目下、金融危機に協力して対応し、連携して難関を乗り越えるのが世界各国の主要な課題だ」と指摘しました。
温首相はまず、中国の歴史と現状を紹介しました。その際、温首相は「半世紀にわたる努力を経て、中国は大きな発展を遂げ、経済力も急速に上昇しつつある。ただ、中国は依然として発展途上国であり、先進国と間には大きな格差がある」とした上で、「中国は開放的かつ寛大な態度を堅持し、世界と調和の取れた発展をし、共に発展することを目指す」と述べました。
「『国が強大になると、必ず、覇権を求める』。しかし、覇権を求めることは中国の伝統文化に背き、また、中国の国民意志に背く。中国は平和の大国、学ぶ大国、協力の大国になると決心した」と述べました。
今回の金融危機に触れて、温首相は「世界規模の金融危機に対応することにとって各国の相互協力は不可欠なことだ」とした上で、「中国政府は次の三つの対応策を講じる。まず、各国はそれぞれ自国の問題を解決し、他国に迷惑を掛けないようにする。次に、相互協力に努め、隣国との溝を埋めるため努力する。第三に、枝葉末節な問題だけを解決してはならず、根本的な問題を解決しなければならない」と強調しました。
温首相はまた、中国の危機対応の措置を紹介しました。温首相は「危機に対応するため、中国政府はマクロ調整を早速に行い、国内需要を拡大させる十大措置を実施し、経済を安定かつ急速に発展させる総合計画を策定した」とした上で、具体的な政策を紹介しました。
「まずは、財政支出を増加し、国内需要を拡大することだ。中国政府は社会投資を促進するため、総額4兆元に達する2年にわたる財政計画を制定した。次に、産業調整・振興計画を制定、実施することだ。第3は科学技術の進歩と革新に力を入れることだ。科学技術の発展は金融危機対応の原動力である。第4は社会保障のレベルを向上させ、教育を優先的に発展させることだ」と述べました。
また、中国と欧州と関係について、温首相は「今、中欧協力は新しい歴史的段階にある。私は中国と欧州が全面的な戦略パートナーシップをさらに発展させることに自信を持っている。双方間には歴史的な問題が存在せず、根本的な衝突もないからだ。今後も、双方の協力の未来は非常に明るい」と指摘しました。
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