2009年を振り返ると、金融危機から気候変動まで、中国は国際外交舞台に頻繁に登場しています。影響力が広がっていると共に、大きな発展途上国としての責任と役割を果たしていると見られました。
2009年に、各種のサミットが頻繁に行われました。第二次世界大戦以後、最も厳しい金融危機、そして気候変動に対する挑戦が首脳会合の主な議題となりました。その中で、中国首脳の姿と発言がより注目されました。
中国の伝統的な祝日、旧正月「春節」が過ぎてから、胡錦涛国家主席、温家宝首相、習近平国家副主席は相次いで、20カ国を訪問しました。このことは、各メディアで「お正月外交」と呼ばれました。
2009年は一年を通し、中国が発揮した積極的な役割が評価されました。これについて、国際問題の専門家朱鋒教授は、「中国の利益を保つと共に、国際社会の正義を主張している。積極的な役割を果たすと共に、国際問題に対する中国の考え方も示している。今年の外交はここ十年間で、最も影響力のあるものだと思う」
金融危機に見舞われた後、一部の国はアフリカへの援助を削減しましたが、中国の今後の措置に関して、胡錦涛国家主席は「中国政府を代表し、以下のことを約束する。中国・アフリカフォーラムで定められた各援助措置を実行し、できる範囲で援助を増加し、債務を削減、免除する。さらに貿易と投資を拡大し、実務的な協力を強化していく」
トーゴのタ・アマ大使は「金融危機が蔓延し、多くのアフリカ発展案が実行できない中、中国は中国アフリカ協力フォーラムのシャルムエルシェイク閣僚級会合を通して、この大陸に適した発展の道をアフリカ諸国と共に探っている」
金融危機がもっとも厳しい時期に、中国はヨーロッパへ調達団を派遣し、「貿易黒字を追及しない」という姿勢を示すと共に、保護貿易主義に反対する行動を取りました。
コペンハーゲン気候変動国際会議で、温家宝首相は10数カ国の首脳と会合を行い、大局を重んじ、効率的な交渉を呼びかけました。首脳会合で、温首相は「温室効果ガスの削減は、中国の国情に合わせて自主的に取る行動で、いかなる付属条件も受け入れず、いかなる国の削減目標とも関連しないものだ。われわれは、言は必ず信あり、行いは必ず果たす」と孔子の言葉を引用して述べました。
しかし、中国が交渉を推し進めるため払ってきた努力は、西側のマスコミなどに非難されています。これについて、朱鋒教授は「まず、中国は、多数の発展途上国の立場を代表している。次にこれは、気候変動と温室効果ガスの削減問題における共同認識を求める行動であり、中国だけを指摘するのは意味がないものだ」
WWF・世界自然保護基金のカルステンセン氏は、中国経済の規模と発展段階を考えると、経済の成長と温室効果ガスの削減を同時に行うのは、きわめて困難なことだが、大きな意義を持っていると見ています。
中国外交の方向性に関して、胡錦涛主席はこのように語「われわれはより広い視野で安全問題に対応し、世界の平和と安定を維持したい。より全面的な考え方で発展を図り、共同繁栄を促進したい。よりオープンな態度で協力を展開させ、ウィンウィンを促したい。大きな心で相互包容し、調和的に共存したい」
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