アメリカ商務省は24日、中国製油井管には補助金があるとして、中国からの関連輸入品に15.78%の反補助金関税を課すことを決めました。油井管の輸出額は27億ドルに及び、これまでアメリカの対中国貿易制裁で最大の案件となりました。 アナリストによりますと、これは中米の正常な貿易関係に影響を及ぼし、アメリカないし世界経済の回復に良いことはないと見ています。
アメリカ商務省が発表した声明によりますと、中国製の油井管には中国政府の補助金がついているため、同製品のアメリカでの販売価格が低く、販売量が大幅に増えたとして、アメリカ政府は、それに対する反補助金制裁をかけることを決めたということです。
油井管問題で貿易紛争を起こすアメリカ側の反応に対して、中国商務省の姚堅報道官は25日、「アメリカは中国の市場経済の地位を認めず、差別のあるやり方をとり、ほしいままに反ダンピングと反補助金の税率を高める行為に対して、中国は強い不満を持ち、断固として反対する」としたうえで、G20サミットで行った確約とこのほど開かれた中米商業貿易合同委員会で達成した合意を遵守し、貿易保護主義に反対し、貿易支援措置の乱用を避けるよう呼びかけました。
アメリカの反補助金調査の手続きによりますと、商務省は主に補助金が支給されたかどうか、そしてその占める割合について調査をしますが、アメリカ国際貿易委員会は主に米産業に被害をもたらすかどうかに基づき判断を下します。双方とも外国政府による補助金の支給があったと判断した場合、商務省は関連製品に反補助金制裁をかけるよう税関に命令を出すことになっています。なお、今回の件については、国際貿易委員会はすでに中国製品はアメリカ産業に損害をもたらしているとの判定を下しており、最終判定は来年の1月初めに出されることになっています。
統計によりますと、今年の4月から9月にかけて、アメリカは中国産シームレス鋼管などの製品に対して反ダンピングと反補助金調査を数件も行っています。さらにオバマ政府は中国から輸入したすべての車や軽型トラックタイヤに対して3年間の懲罰的な関税を課する決定を下しています。これについて、アナリストは、このようなアメリカの頻繁な制裁措置は、アメリカ国内経済の不況や高い失業率、貿易保護主義、政治的要因などに起因しており、「メイドイン中国」はアメリカ保護主義の最大の被害者となりつつあるとみています。
一方、アナリストは、これらの保護主義的措置により、短期間に低迷した経済を緩和することができるが、中国製油井管に高い関税を課することで、アメリカ国内の鉄鋼価格の高騰をもたらし、生産コストの増加やより多くの失業者を生み出すのではないかと見ています。長い目でみれば、貿易保護主義は中米の正常な貿易関係の発展を妨害するだけでなく、アメリカないし世界経済の回復を阻害する恐れがあるとみています。
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