イラン政府は29日、IAEA・国際原子力機関が提案した低濃縮ウラン(LEU)の国外持ち出し計画に関する回答書を提出しました。
消息筋によりますと、イランは低濃縮ウランの80%を一度に引き渡すことに反対しており、段階的に運び出すと同時に、加工済み核燃料の提供を受けられるよう求めているということです。
アメリカ、ロシア、フランス3カ国が合意したIAEAの提案では、イランは年末までに、備蓄した低濃縮ウラン1100キロを一度にロシアに輸送し、濃縮率を20%に高めた後、フランスで実験炉向けの核燃料棒に加工し、イランに戻すということです。
推定によりますと、イランは現在、濃縮率5%以下のウランを1500キロ備蓄しているということです。
IAEAによる提案について、イランの国家安全保障最高評議会は、テヘランの実験炉への燃料供給が保障され、安保理による制裁の圧力が緩和され、低濃度ウランの濃縮活動が継続でき、高濃縮ウランも入手できるメリットがあると見ています。また、稼動が遅れているブシェール原子力発電所への核燃料供給でロシアに優先権を与えることになる、と評価しました。
一方、一部の評議会議員は、高濃縮ウラン燃料棒の供給など西側が約束を履行するかどうか憂慮を示し、IAEAに対し提案の変更を求めています。
また、イラン国会のラリジャニ議長は「高濃縮燃料棒の供給を口実に、われわれの低濃縮ウランを騙し取ることもある」と、西側への警戒を緩めないよう、強調しています。
アハマディネジャド大統領は「核燃料の供給については西側と協力していくが、核の権利をめぐっては絶対譲歩しない」との考えを表明しました。(ジョウ)
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