イラン南東部にあるシスタン・バルチスタン州で18日朝に自爆テロが発生し、2人のイラン革命防衛隊の高官を含む35人が死亡、28人が負傷しました。これは1988年、イラクとの戦争が終わってから最大の襲撃事件となります。
国営イラン通信(IRNA)の報道によりますと、現地時間の18日午前8時、パキスタンとの国境付近にあるシスタン・バルチスタン州のピシン市で部族長老会議が行われているところ、会場で自爆テロが起き、会議に参加していた革命防衛隊地上部隊の副指令官と革命防衛隊シスタン・バルチスタン州の指揮官などを含む高官と一部部族長老が死亡しました。
また、イラン国営テレビの報道によりますと、この日、2回の襲撃事件が発生し、この自爆テロとほぼ同時に革命防衛隊の高官が乗った車が会場に向かう途中、正体不明の武装勢力に襲撃されたということです。
シスタン・バルチスタン州はパキスタンやアフガニスタンとの国境付近にあり、少数のオアシスのほかに砂漠と荒野が広がる最も貧しい地域です。地元住民にはスンニー派のバルチ人が多く、ラクダの飼育と農業を主として営んでいます。バルチ民族は2000年以上の歴史を持ち、現在、400万の人口を有し、パキスタンやイラン、アフガニスタンに住んでいます。
事件発生後、イランのアハマディ・ネジャド大統領は閣議で事件の主謀者を調べるよう求めると共に、パキスタンにも事件主謀者の逮捕を協力するよう求めました。このように求めた理由として、アハマディ・ネジャド大統領は「パキスタンの一部の警察が今回のテロ襲撃に協力したことを知っているからだ」としています。イランのラリジャニ議長は議会会議で事件を非難し、「襲撃者の目的はシスタン・バルチスタン州の社会治安を乱し、経済発展を妨げることだ」と述べました。
イラン革命防衛隊はこの日に声明を発表し、アメリカとの連携のある外部勢力が今回の襲撃に介入したと指摘しました。イラン国営テレビは関係筋の話を引用して、イギリス政府が今回の襲撃に関与し、テロリストの募集、組織のほかに武器も提供したとしています。
これに対して、米英両国は18日に声明を発表し、今回のシスタン・バルチスタン州で発生した自爆テロと関係がないと表明しました。アメリカ国務省のケリー報道官は「アメリカはこのようなテロ活動に反対し、被害者が出たことを悲しく思う」として、「アメリカがテロ襲撃に関与したとの報道は間違ったものだ」と表明しました。また、イギリス外務省もこの日、事件との関係を否定しました。
イランのテレビ報道によりますと、イランの反政府武装勢力「ジュンダラ」が18日、シスタン・バルチスタン州で発生した自爆テロについて犯行声明を行いました。「ジュンダラ」はイランとパキスタンの国境地帯で活動するテロ組織とされていますが、イランはアメリカが裏で支持していると指摘しています。(翻訳:ヒガシ)
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