イランを訪問中のIAEA・国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は4日、イランの第2のウラン濃縮施設への査察を10月25日に実施すると明らかにしました。
3日の夕方、エルバラダイ事務局長は、テヘラン入りし、イランへの訪問を始めました。4日、イランのアハマディネジャド大統領、サレヒ副大統領兼原子力庁長官とそれぞれ会談した後、記者会見し、10月25日にイランの第2の核燃料施設への査察を実施することを発表しました。「核拡散防止条約」を踏まえて、この施設が平和利用されているかどうか、確認していくということです。
9月25日、イランは新たな濃縮施設を建設していることを発表しました。イランのメディアによりますと、この施設の建設は、2006年から始まり、聖地ゴムから南へおよそ50キロ離れた山奥に位置し、土建の部分はすでに完成したが、ウラン濃縮用の遠心分離機の設置はまだ開始していないとのことです。第2施設の規模は7000台の遠心分離機を持つ第1施設を超えると見られています。また、イランは、ウラン濃縮の濃度を5%以下に抑えるとIAEAに報告しました。
イランは、圧力に迫られて第2の核施設を公開したのかどうかは、まだはっきりされていませんが、4日の会談の成果について、「イランは積極的な姿勢を示した」とされています。エルバラダイ事務局長は、核問題においてのイランの態度が「対抗」から「協力と透明性」に変わったことに歓迎の意を表しました。アメリカ政府もこれをイラン側の積極的な協力へのメッセージとして受け止めています。
一方、イランのこの行動は、まだイランの核問題解決につながらないという見方もあります。イランとアメリカ、イランと核問題解決に当たる安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国の間では、未解決の問題点は未だに数多くあります。例えば、イランは、第2施設への査察を受け入れましたが、すべての核施設に対する制限のない査察にまだ同意していません。イランが核開発を中止すれば国連はイラン制裁を解除するという問題点で意見が一致されていないなどです。IAEAの最新報告によりますと、イラン側に明らかにしてもらう重要な問題点はいくつかあります。例えば、イランはミサイル発射システムや核弾頭の爆発出力を強化する研究をしており、原子爆弾を製造するのに十分な情報を保有していると結論付けられています。これに関係して、エルバラダイ事務局長は、「IAEAの関係者がイランの第2施設を査察する前に、サレヒ副大統領兼原子力庁長官は、この19日、オーストリアの首都ウィーンにあるIAEAの本部を訪問する予定だ。その際、アメリカ、ロシア、フランスとイランは、ウラン濃縮過程を他国にやってもらう可能性について協議する」と述べました。
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