ウルムチの二道橋、百年以上の有名な町

　中国の新疆ウイグル自治区では、「新疆に来たらカシュガル。ウルムチに来たら二道橋」という言い方があります。二道橋は1200メートルほどの通りで、両側は全て店で埋め尽くされています。毎日、国内及び世界各国からの観光客で賑わっています。

　二道橋地域にはイスラム建築スタイルを備えた建物がいくつかあります。中でも大型の建物は、二道橋市場、新疆民街、新疆国際バザールです。国内の観光客のほか、ロシア、パキスタン、カザフスタンなどの国から貿易商や観光客が訪れています。

　二道橋は19世紀の20年代にかけて形成されました。「ウルムチの逸話」という本に当時の様子が記録されています。昔は、ここに木製の橋がありました。この橋の名前が「二道橋」でした。この地域は清の時代、旧ロシア帝国と清王朝の貿易エリアでしたが、今は新疆の南北地域の少数民族、新疆と西アジア、中央アジアの経済交流の中心地となっています。

　新中国が成立してから、二道橋農産物市場の近くに、民族百貨店、団結劇場が建てられました。それから少数民族の商業貿易エリアとして知られるようになりました。1980年代初頭、面積6756平方メートルもの二道橋市場がオープンしました。新疆地域の最大の民族地域商品の卸し市場です。ピーク時には、660軒の店舗があり、1600種類以上の商品を取り扱っていました。毎日、業者や観光客など2万人を超える人がこの市場を訪れました。

　1999年、ウルムチ市政府は少数民族が住んでいた二道橋地域を再整備しました。整備が終わると、二道橋市場の向こう側に、新疆国際バザールが建てられました。バザールはウイグル語で、市場という意味です。バザールの面積は3万9800平方メートル。この中に、モスク、高さ80メートルの観光タワー、面積8000平方メートルの宴会場と大劇場があります。新疆国際バザールでは、中国各地、そして中央アジア、西アジア各国からの伝統的な生活用品、工芸品のほか、スパイス、果物、農産物などが売られています。いつも国内外の観光客で賑わっています。現在は、二道橋市場と新疆国際バザールを中心に、ショッピングエリアが形成されています。このエリアにあるデパートで国内外のファッショナブルな商品を買えるほか、旧市街地の保存地域にある手工業の店では、鉄のナイフと銅製品を作る様子や羊肉の串焼きを売るなど昔ながらの風景が見られます。

　イタリアからやって来た観光客、タンユンさんに感想を聞きました。

　「バサ－ルはウイグル族文化の一つですね。ここには民族的特徴を備えた商品、例えば、服、生活用品、そして現地特有のナイフがたくさんあります。ここは来る価値がありますよ」

　昼間、二道橋市場を観光し、夜は、国際バザール4階にあるレストランで、ウイグル族の伝統舞踊を見ながら、新疆のグルメを楽しむのが最高です。これについて、新疆国際バザールレストランの料理長、王東林さんは次のように紹介してくれました。

　「うちは新疆の特色のあるグルメを全部揃えています。羊の丸焼き、羊肉の串焼き、手掴みご飯、ラグメン、羊のモツ料理、作りたてのヨーグルト、それから馬肉の燻製、馬のモツ料理もありますよ。ここにきたら新疆のすべての料理を楽しめます」

　ここでは新疆の舞踊を見ることもできます。新疆国際バザール歌舞団の団長助手のハフェンさんの話です。

　「2003年、国際バザール歌舞団が発足しました。この舞台で、新疆各地の舞踊、そして新疆の各民族のユニークなパフォーマンスをお客さんに披露します。わずか1時間半ほどで新疆のすべての舞踊を見ることができます。お客さんは一番少ない時でも500人ほどいますよ。舞台の最後は、お客さんにも舞台に上ってもらって、一緒に踊ります。舞踊団のスタッフも新疆舞踊を教えます。毎日の公演のクライマックスは出演者もお客さんも一緒になって楽しむんです」……（任春生）