中国東北部吉林省の特産中国北部の吉林省はユーラシア大陸の東にあります。温帯湿潤気候に属し、四季の移り変わりがはっきりとし、季節ごとに特徴があります。しかも自然災害が少なく、豊富な太陽の光、十分な降水量に恵まれています。植物にとってとてもいい環境となっています。このため、吉林省には肥沃な土地にしかない特産があります。今週のクローズアップのコーナーでは、吉林省ならではの特産をご紹介します。
吉林省の伝統的な特産は三つあります。長白山人参、テンの皮、ロクジョウです。今日は、この中のロクジョウについてご紹介します。吉林の集安県はロクジョウの有名な産地です。通化市の最南端にあり、長白山山脈の延長線にある老嶺山脈の南の麓にあります。3方を山で囲まれもう一方は鴨緑江です。この川を隔てて朝鮮と向かい合っています。山と川に恵まれ、集安県は自然豊かな穏やかな町で、吉林省の「ミニ江南地域」とも呼ばれています。ここは動物の理想的な生息地でもあります。ここで育てられている梅花鹿(ばいかろく)は非常に有名です。梅花鹿から採取されたロクジョウは貴重な漢方薬となります。ロクジョウは骨化していない雄の鹿の角です。雄の鹿は通常1年に1回、角が生えます。毎年、2月にこの角が抜け落ち、4月に再び生えてきます。生えたばかりの角は、やわらかくて皮に包まれています。皮の表面には短くて柔らかい毛が生えています。中には軟骨があり、たくさんの毛細血管があります。このため、薬としての価値が非常に高いのです。血液を補給し、体を丈夫にする効果があるそうです。特に高齢者にとってはロクジョウは貴重な栄養剤です。中国では古くから漢方薬として使用されています。明の時代の医師、李時珍が書いた「本草綱目」にも、ロクジョウが貴重な漢方だと記されています。
また吉林省は生態環境が保護されているため、農業が発達している地域です。主な作物はお米で非常に有名です。その理由は土の質の良さです。吉林省の土は黒く天然の栄養分をたっぷり含んでいます。稲の栽培に適しているのです。 吉林省の一番有名な米の産地は、梅河口市です。ここで栽培された米は粒が丸くて透明です。炊き上げると、香りが立ち、非常に美味しいです。1990年、第11回北京アジア大会の専用米に指定されました。1995年、梅河米は、緑色食品に指定され、国内外の農産物博覧会で多くの賞を受賞しました。今は技術力の向上に伴い、現地では、国外から精密な精米機を導入し、加工レベルを保っています。現地の企業は、梅河米という商標を登録しています。米を真空パックして北京、上海、広州などの大都市のほか、日本、シンガポール、韓国、そしてロシアにも輸出しています。
このほか吉林省は生態環境の保護、生物多様性の保護に力を入れています。省内には、これまでの調査で分かってきた野生植物の種類は3890種類、食べることができる野生植物は350種類、黄松甸きくらげはそのうちの1種で、吉林省の特産でもあります。黄松甸は、長白山山脈延長線にあり、冬は低温が長い間続きます。そして夏は昼間と夜の温度差が大きいのです。このような環境できくらげが繁殖するのだろうかと不思議に思うかもしれません。しかし確かにこのような自然条件でも育つ野生のきくらげもあるのです。近年は現地の農家は、質の高いきくらげなどを栽培しています、2004年、ここのきくらげは中国の有名ブランドになりました。今、黄松甸は中国一のきくらげ生産地として名が知られています。ここのきくらげの特徴は、形、そして食感などがほかの地域のものと全く違います。現地の農業専門家によりますと、ここの生息環境は気温が低く、昼間と夜間の温度差が大きいため、きくらげの生長はゆっくりとしたものになります。そして内部に栄養分を十分に蓄えるのです。このため厚くて、弾力性があり、食べれば、ザクザクとした食感のきくらげとなるのです。もう一つの理由は、栽培農家では良質の水を使って育てていることです……(任春生)
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