三亜ホイ族の有名料理、酸っぱい魚のスープ
中国最南端の省、海南省。その最南端にある三亜市は半島で、3方が海に囲まれています。熱帯気候に属し冬でも日中の最高気温は27度前後です。ここには、イスラム教を信仰するホイ族の人々が8千人ほど暮らしています。資料によりますと、これらのホイ族の先祖は唐の時代に海南島に移り住み、長い歳月をへて、現在、ほかの民族の影響を受けながら、独特なホイ族文化を形成しました。
中国語の古い諺にこんな言葉があります。「山に住む者は山で採れるもので生活し、水辺に住む者は漁で生活する」。これは、周囲にあるものに頼って生きていくという先祖の知恵を示しています。三亜ホイ族の有名な料理、酸っぱい魚のスープは、ホイ族の伝統料理を代表するものです。今日の番組では、このホイ族の美味しい魚スープをご紹介しましょう。
三亜市鳳凰鎮のホイ族村には大きな飲食街があり、通りの両側にあるレストランはいつもお客さんでいっぱいです。有名レストランの外には長い行列が出来ています。ほとんどが海南省以外からやってきた観光客のようです。北京から来た張さんは、レストランで友達と一緒にホイ族の魚スープを堪能しました。張さんに感想を聞いてみました。
張さんの話です。「三亜に来る前に、ネットでグルメをチェックしたんです。多くの人がホイ族の酸っぱい魚のスープが美味しいと薦めていました。三亜は海辺の都市で、海鮮料理は有名ですから、是非食べたいと思いました。今日はここに着いたばかりなんですが、さっそく友達と一緒にこの店に来ました。念願の魚スープはとても美味しかったです。ネットユーザの言う通りです。スープの中にスターフルーツが入っているので、独特な風味がして美味しかったです」
先ほどもご紹介しましたが、三亜は半島で、住民は殆ど漁業で生計を立てています。漁に出る時、長い時間保存がきく食べ物を持っていきますが、スターフルーツもその中の一つなのです。魚料理を作るとき、調味料としてスターフルーツを入れるのです。すると、スープは甘酸っぱい味になります。数年前、中央テレビ局がこの酸っぱい魚のスープをとりあげ全国に放送ました。これがきっかけとなってこの調理方法が全国に広まりました。ダイエットにも効果があるそうで、女性には特に人気なようです。
1980年代の末、海南省は中央政府によって経済特区に指定されました。以来、海南省のインフラ整備が行われるとともに、観光業などが急速に発展してきました。さらに2010年、中央政府は、海南島を国際観光リゾート地にする戦略を打ち出し、三亜市の観光業には新たな発展のチャンスが生まれています。
三亜市の観光業の発展とともに、鳳凰鎮ホイ族村の飲食街に数軒しかなかったレストランは現在、100軒以上となりました。どの店でも、この酸っぱい魚のスープが食べられますが、一番美味しいと言われる店があります。それは羊欄魚スープ店です。店のコックを務める楊金義さんによりますと、実はこの料理を作るのはあんまり時間がかからず、たった15分ほどだそうです。でも材料は全て天然のものを使います。
コックの楊さんの話です。「スターフルーツ、発酵させた白菜、トマトを煮込み、魚を鍋にいれて、15分ぐらい煮たらもう出来上がりです」……(任春生)
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