山東省煙台市栖霞の牟氏庄園
山東省煙台市の栖霞に、牟氏庄園という大規模な古代建築群があります。これは、清の時代に建てられた個人邸宅です。邸宅の持ち主は、湖北省出身で、栖霞の役所で官吏を務めた牟墨林です。今日の番組では、牟氏庄園と石の文化をご紹介します。
敷地面積2万平方メートルの牟氏庄園には、480の部屋があり、3つのエリア、6つの庭からなっています。紀元1662年から1930年代まで、200年間にわたって建築工事が続き、白銀43万両が費やされました。
牟氏庄園は中国国務院に初めて指定された国家重点文物保護地の一つです。1980年に一般公開されてから、清華大学、中国建築研究院、上海建築研究院から専門家と学者が続々と訪れ研究を進めました。研究の結果、牟氏庄園は特別な建築スタイルを持っていることや、この邸宅にある石の文化も大変貴重なものであることがわかり、伝統建築の宝物とされています。
牟氏庄園の石の文化といえば、代表的なものに、石彫刻の太鼓、石絨毯、石の壁、目隠しの塀が挙げられます。この四つの建築は、牟氏庄園の四つの宝物とされています。
まずは、扉に置かれた石彫刻の太鼓ですが、これは牟氏庄園の石文化の代表です。黒い石彫刻の太鼓について、ガイドさんが次のように紹介してくれました。
「一対となったこの2つの石太鼓は高さ1.5メートル、台座と本体の黒い石に彫刻が施されています。正方形の台座が、楕円の本体を支えています。ぞれぞれの太鼓の両側には、福禄寿、麒麟、姜太公が釣りする姿、劉海が金色のガマと遊ぶ姿の4つのモチーフが描かれています。これはこの邸宅の持ち主の身分を表しています」
栖霞県の歴史を記録する古い書物によりますと、この石太鼓に使われている黒い石は玄武岩です。栖霞城以南10キロにある唐山からこの石を掘って、屈強な体を持つ男性60人が牟氏庄園まで運んできました。特に優れた技術を持った石彫刻の職人が4人がかりで3年間かけて石太鼓を完成させました。この石には微量の金が入っているので、太陽光が石を照らすと、内部の微小な金の粒が光ります。完成してから80年が経ちますが、石太鼓に刻まれた彫刻は昔と変わらず生き生きとしています。
牟氏庄園の正門に入ると、すぐ石の絨毯が見えます。絨毯は、ほとんどシルク製、羊毛製のものが多いですが、これは石でつくられた絨毯で非常に珍しいそうです。この石絨毯は、長さ6メートル、幅は3メートル、面積は18平方メートルで、566の石が使われています。ガイドさんによりますとこの絨毯を踏めば幸運がもたらされるということです。ガイドさんの話です。
「この石絨毯は、吉祥の絨毯と呼ばれ、全部で9の図案が描かれています。長方形の四角には、ぞれぞれ蝙蝠の図案がありますが、これは福があるという意味です。絨毯の真ん中には石のお金が3枚あり、真ん中のお金の四角に、寿という字が書かれています。この絨毯は、幸福、裕福、長寿を意味しているんです。この絨毯を踏めば運が開くと言われていますよ」……(任春生)
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