千年の塩の生産地、雲南省・黒井
雲南省の山奥には、明の時代と清の時代に栄えた塩の生産地があります。すでに2000年ほどの歴史があり、建物など多くの遺跡が残されています。今ここは観光地としても注目され毎年、多くの観光客が訪れています。今日の番組では黒井という古い町と、かつてこの町の発展を支えてきた塩づくりの歴史をご紹介します。
黒井は、雲南省楚雄イ族自治州の禄豊県にあります。この町は山の麓と河の辺にあり、雲南省の4つの古代の町の一つに数えられています。ここには明の時代と清の時代の町並み、建物などが残され、今も当時の姿を見ることができます。昔の町並みのほか、人々の昔の風習を受け継いで生活している様子が国内外の観光客を魅了しています。
この町の地理的な位置について、禄豊県の何棟林さんが次のように紹介してくれました。
「禄豊県は昆明から大理、麗江、シャングリラなどの雲南省西部の観光都市に行く交通の要衝にあります。恐竜などの古代の動植物の化石や歴史文化的資源に恵まれ、楚雄イ族自治州ないし雲南省でも古代遺跡や古代文化などの観光資源が豊富なところです」(何棟林さん)
黒井へ続く道を歩いていると、五馬橋という橋の前、牌楼が見えました。この牌楼は清の末期に造られたものです。赤い石でできています。その巧みな意匠、彫刻と刻まれた文様はほかの地域では見られない珍しいものです。
町の西の万春山という山の麓に大龍祠という古い建物があります。もともとは明の時代に造られましたが、現在残っているのは清の時代に再建されたものです。一部、破損していますが中にある古代の舞台、木彫刻などは貴重な文化財です。
歴史と文化の研究者、李明華さんは黒井で育ちました。今回は李明華さん自ら黒井を案内してくれました。李さんは歩きながら、周りの建物や風景などを紹介してくれました。ここの一番有名な古代の建築物は、武という一族の屋敷です。清の時代から今日も残るこの武という一族屋敷は、山の地形に沿って建てられ、空中から見下ろすと、王様の王という文字の形をしています。屋敷の中には、庭が4つ、部屋が99、扉が108あり、面積は1万平方メートルもあります。この広さは雲南省古代建築物の中でも最大です。この武という一族の屋敷について、李さんは次のように紹介してくれました。
「武という一族の人は、清の時代の末期、中央政府レベルの科挙試験に受かって政府役員になりました。引退した後、中原地域の文化の影響を受け、このイ族が住んでいる山奥に、漢民族とイ族の建築スタイルを融合した建築群を建てました。敷地内を王様の王という文字の構成をしていますが、北の部分には舞台を建てました。こうすれば王が玉となります。実は当時は封建社会で、民間人が王という文字を利用することは禁止されていたのです。舞台をつくって王の字を玉としたのは、主人の知恵なのです」(李さん)
黒井の路地を歩くと、まるで清の時代にタイムスリップしたようです。あちこちに古代の遺跡があります。なぜ雲南省の山奥にこのように栄えていた町があったのでしょうか……(任春生)
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