雲南省禄豊県の世界恐竜谷
雲南省楚雄イ族自治州の禄豊県は昆明から大理、麗江、シャングリラなどの雲南省西部の有名な観光地に行く途中にある交通の要衝です。
1938年、恐竜化石研究の先駆者である楊鐘健氏は、雲南省禄豊盆地で、中国初の恐竜の骨格の化石、「許氏禄豊龍」の発掘に成功しました。これによって、禄豊は世界でも知られる「中国恐竜の家」、「世界恐竜の故郷」と呼ばれるようになったのです。1995年、ある発見が再び世界を驚かせました。研究者たちは、禄豊の川街阿納恐竜山で世界最大のジュラ紀末期の恐竜の墓場を発見しました。この墓場には数百頭の恐竜の化石があり、今も発掘が続けられています。これほどの数が発見されるのは世界でも稀です。2004年4月、禄豊恐竜谷は雲南省の8つの観光業重点開発プロジェクトの一つに指定されました。また国土資源省によって国家地質公園にも指定されました。
雲南省が開発した世界恐竜谷公園は、禄豊県阿納村恐竜山の谷にあり、人工の池、湖と滝が造られました。広いスペースには恐竜の模型が置かれて、公園の中に入るとまるでタイムスリップして、ジュラ紀に行ったような感じがします。屋内施設の展示館もあります。恐竜化石の展示コーナーがあり、現代的な展示手段によって恐竜の化石はまるで発掘されたばかりのようです。
恐竜化石研究の先駆者、楊鐘健氏が1938年に発掘した「許氏禄豊龍」という恐竜の化石は、この展示館の最も貴重な宝とされています。この恐竜の完全な骨格は、巨大なガラス張りの展示ブースに横たわっています。前足は今まさに踏み出さんばかりに上にあげられ、爪は何かを握っているようです。その姿は今にも動き出しそうにイキイキとした躍動感に溢れています。
ここで展示されている恐竜の化石について、ジュラ紀世界投資株式会社企画販売部の劉玉昆部長は、「ここで展示されているすべての恐竜の化石は、世界でも貴重なものです。実は、この展示館は川街郷阿納村の当時の発掘現場を利用して建てたものです。恐竜の化石は、出土した時のそのままの形を再現しています。非常にリアルです」と話してくれました。
展示館の参観コースにそって進んでゆくと、恐竜の化石が次々と現れてきました。チェアンジェ・サウルス・アナエンシスという恐竜の尻尾の椎骨は大きなスプーンのようで、3つしか残っていない前足の指は象の指と同じぐらいの太さです。草食恐竜の体格は大きく、肉食恐竜の体格はたくましくて勇猛です。雑食恐竜の歯は鋭くとがったものもありますし、丸みを帯びているのもあります。目の前にあるのは恐竜の骨には違いないのですが、その美しさと迫力に思わず賞賛の声をあげてしまいます。
ここの恐竜の化石について、劉玉昆部長は、「展示館の化石は、一部は実際に恐竜谷で発掘されたものです。楚雄イ族自治州には恐竜の化石を発掘した場所がたくさんあります。もともと楚雄博物館に納められていた化石もここに移されました。そのためここは化石の量、質ともに世界でも有数の展示館と言えます」と紹介してくれました。(任春生)
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