人の遺失物を拾って自分の物にする行為は、横領罪に該当するか
『事件の経緯』
空港清掃員である梁さんは、誰も管理していない荷物カートの中に、金属のような物が入っている古い紙箱を発見した。梁さんは、これはおそらく乗客の不要品又は忘れ物だろうと思ったが、自分の懐具合があまりよくなかったため、自分の物にして換金しようとした。数日後、警察は、「他人の金のインゴット(価値は約300万元)を拾って自分の物にした」として、梁さんを拘留した。初期審理において、梁さんの行為は窃盗罪と認定されたが、世論は梁さんに同情していたため、最終的に、検察部門は本件の具体的な情状を考慮し、梁さんの行為は横領罪に該当すると判断した。
『分析』
一般的に、「人の遺失物を拾って自分の物にする行為」は民法上の不当利得に該当し、拾得者に「民事責任」しか追及しない、とされている。しかし、もし当該行為が刑法に規定される犯罪行為の要件を満たせば、刑法の規制範囲に属する可能性がある。比較的よく見られるのは、以下のいくつかの類型である。
(1)本件のように、法律に違反して他人の遺失物又は埋蔵物を横領し、その金額が高く、且つ他人の所有物であることを知っていても返還を断った場合、「中華人民共和国刑法」第270条の規定に従って「横領罪」と認定される可能性がある。
(2)他人の所有物であり、且つ完全に所有者の占有を離れていない物を獲得し、その金額が高い場合、「中華人民共和国刑法」第264条の規定に従って「窃盗罪」と認定される可能性がある。
(3)業務上の便宜を利用し、組織の所用物であることを知っているのに、「廃棄物の回収」の名義のもとに自分の物にし、その金額が高い場合、「中華人民共和国刑法」第271条の規定に従って「業務上横領罪」と認定される可能性がある。
以上をまとめると、現実には、「人の遺失物を拾って自分の物にする行為」は、民事責任上の問題にかかわるのみならず、当事者が他人の遺失物を「自分の物にする」という目的をもって、返還を断り、又は違法に他人の遺失物を占有する場合、刑罰を科される可能性がある。よって、「拾った金を猫ババしない」という規則は、道徳上の要求だけではなく、一定の条件において、厳格な法的拘束力を有する法律規範となるのである。
以上はリチャード法律事務所(上海本部)の陳文偉弁護士(E-mail:wenweichen@rwlawyers.com )により提供されたものです。
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