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すぐそばに、朝鮮――遼寧省東部の街・丹東

2009-07-28 16:48:58     cri    


鉄条網の向こうが朝鮮

 25日正午、取材団一行は遼寧省東部の丹東に着きました。ここまで来ると、朝鮮はほんとうにすぐ隣です。先日行った長白山を水源とする川、鴨緑江を境に、西側が中国、東側が朝鮮となりますが、吉林省にある国境の街・図們江や防川などに比べると、圧倒的に近さを感じました。

 私たちがバスで鴨緑江沿いを走り、河口の街・東港に向かう途中のことです。鴨緑川の本流が遠ざかり、道路の両側に大規模な水田と細い水路が見え始めました。そして道路の片側には鉄条網が。ガイドとして乗り込んだ地元政府の人が、それこそ、"右手に見えますのが……"といった気軽な調子で鉄条網の方を指さし「そこ、朝鮮の国境ですよ」と言ったとたん、バスの車内に「えっ、ほんとに!?」と驚きの声があがり、一斉にカメラのシャッターが切られました。本当に手が届きそうな距離なのです。しかも、その鉄条網の向こうは水田地帯のために幅10メートルもない細い用水路が流れています。


丹東の断橋(後ろの橋が今使われている友誼大橋)

 わずか10メートル先の朝鮮。

 国際的なことはともかく、実際にここに暮らす人々の意識としては、朝鮮とは川を挟んで向かい側にいる、まさしくお向かいさん、というところではないでしょうか。事実、街の中には朝鮮から来た人がいて、私自身ホテルの中で見かけました。彼らはこの丹東の街に来て、仕事をしたり、買い物や食事をしたり、酒を飲んだりして楽しんでいるのです。しかも、彼らは鴨緑川にかかる友誼大橋を渡ってくるだけでここに来られるのです。

 翌日、その友誼大橋に出かけました。20世紀初頭に日本によって作られた第1友誼大橋が、朝鮮戦争の時に米軍による爆撃を受けて真ん中から破壊されましたが、そのまま保存されていました。ここは今、「断橋」と名付けられ、観光地となって開放されています。しかもここは対岸の朝鮮が見渡せる絶好のポイントとなっており、大勢の観光客が訪れていました。この日、鴨緑川に遊びに来ていた朝鮮の女の子たちが、川に入って水遊びをする姿が見て取れました。その様子を、中国側から望遠鏡でのぞいてしまう私たち……。

 
水遊びをする朝鮮の女の子たち

 断橋の隣の友誼大橋は、鉄道と車が通行できる橋となっており、ここを通過して人や物資が中国と朝鮮の間を行き来します。私たちがここにいたのはわずか1時間足らずでしたが、トラックが1台と、4、5両連結の客車が朝鮮に行くのが見えました。通関手続きを基本的にしない日曜日ということもあって、数は少なかったのですが、しかしここを行き交う人や物資がもっと増えれば、もの珍しさも失せるというものではないでしょうか。

 すぐそばに、朝鮮。当然、地元の人たちには望遠鏡は不要なもの。お向かいさんとは普通、望遠鏡を使ってのぞき込んだりしないものでしょう。訪れた人々にも不要になるのには、まだ少し時間がかかりそうです。

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