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無限の希望はここから始まる――希望福利院

2009-07-23 11:04:02     cri    

希望福利院

崔麗花さん

 21日は琿春を離れ、図們江を経由し、さらに西へ2時間ほど走ったところにある街、和龍を訪れました。ここには希望福利院という、朝鮮族の李文哲さんが個人で運営する孤児院があります。1974年に開設されて以来、両親との死別、貧困など、様々な事情で李さんのもとで育った子供たちは、現在在籍中の人を含めて150人近くに上るとのことです。もちろんここの子供たちは民族も異なります。延辺という場所柄、朝鮮族は多いですが、漢族も満族もどの民族の子供でも分け隔てなく、李さんの惜しみない愛情が注がれているとのことです。

 私はここで、崔麗花さんという19歳の女の子に会いました。彼女は秋から高校3年生になり、来年にはいよいよ卒業するということです。

 最初、私のつたない中国語で声をかけると彼女から、

 「英語で話しましょうか?」

 と、言われてしまいました。それももの凄くきれいな発音で、です。北京暮らしですっかりさび付いた英語を使うより、中国語のほうがはるかにマシと思い、中国語にしました。

 それもそのはず。彼女は今、学校で好きな科目が英語で、高校卒業後は語学関係の学校に通い、将来は通訳の仕事がしたいと語るほどでした。しかも彼女は朝鮮族なので、朝鮮語も中国語(普通話)も母国語、それに日本語も少々勉強しているということなので、これだけいろいろな言葉ができると、中国だけでなく、広くアジアを舞台に活躍することも可能でしょう。これはまさに鬼に金棒、仕事を探す上でも相当な武器になるはずです。 

希望福利院の子供たち

希望福利院の院長・李文哲さん

 でもそんな彼女に好きなテレビ番組は?と聞いてみると、「新聞聯播」と、驚くべき答えが。これはCCTV(中央電視台)が毎日夜7時に放送するニュース番組です。

 「言語を勉強する上で、いろんなことを知ってなくちゃならないからこの番組を見ています」

 このしっかりとした受け答えに、正直なところ、日本で暮らす同じ世代の女の子に聞かせてあげたくなりました、ほんと。

 ただもちろん、さすがに19歳の女の子だなあ、と思うのは、韓国ドラマが好きで、さらに東方神起の大ファンで、カラオケの定番にしているというところでしょうか。

 けれども、将来の夢を明るく語る麗花さんも、自分が孤児であることに強く不安を抱いていて、学校までは卒業できても、その先ちゃんと仕事が見つかるかどうか、とても心配していました。確かに今の中国では大卒者の就職難が叫ばれていて、それだけに、自分のバックグラウンドが就職に大きく影響するのではないかと思っているのです。

 私は一瞬言葉を失いました。

 中国の人が中国国内で仕事を探すことがどれほど大変かは知っています。海外から帰ってきた人でも難しいということも聞いています。しかし、彼女のひたむきさがあれば、どんな困難でも乗り越えて行けそうな気がしました。それに言葉を武器に仕事を探すのであれば、その能力が高ければ高いほど、プライベートは問題にされないのではないでしょうか。私はそう言って、彼女を励ましました。どこまで届いたかわかりませんが、そう信じて頑張っていって欲しいと思いました。

 この希望福利院には、こんな標語が掲げられていました。

 「無限の希望はここから始まる」

 院長の李さんは、ここでは教育面を充実させていると語りました。大学進学だけでなく、留学もさせているということです。それこそまさにこの「希望」につながっているのではないでしょうか。明るい未来のためのパスポートとなるのが教育です。麗花さんも、しっかり英語を勉強して、自分の夢をつかんでもらいたい――そう思いました。(文章/写真:安藤)

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