会見会場にて(右から2人目が韓省長)
「中国を見る 中国人・外国人記者の国境都市の旅」の3日目となる18日は、吉林省の韓長賦省長との会見でした。長春の中心部から南にある、南湖賓館という長春の迎賓館のような場所で、吉林省の経済や社会などについての質疑応答が行われました。吉林省といっても、日本からだと現在の発展ぶりはなかなかイメージが沸かないかもしれませんが、国際金融危機の影響にある中、昨年のGDPは6400億元に達しており、成長を続けています。
吉林省の主な特色は大きく分けて5つ挙げられます。まず自動車をはじめとする工業で、自動車は昨年153万台製造し、この数字は中国全体で6台に1台は長春で造られた自動車が走っていることになります。次に農業、いわゆる食糧生産がさかんで、特にトウモロコシの生産は中国で第1位となっています。その次が教育、とりわけ高等教育の充実には注目すべきものがあります。さらに、映画やテレビドラマの制作に力が入れられていて、今、中国で人気のあるテレビドラマのいつくかがここで制作されています。中華人民共和国の建国後初めてつくられた撮影所はここ長春であり、2年に一度ここで映画祭が開催されています。最後は自然環境です。吉林省の東部は長白山をはじめ森林が多く、西部は草原になっています。全省の森林率は43%に達しています。
吉林省は古くから工業がさかんなところでしたが、時代の変化に追いつくことができず停滞したことがありましたが、しかし近年、新技術の導入をはじめとする改革が行われたことにより発展を遂げています。特に長春は自動車産業の街であり、今の中国は急速なモータリゼーションが進んでいることもあり、それが吉林省の工業の成長につながっているといえます。しかし、成長率という点から見ると、金融危機の影響が現れており、ブレーキがかかっている状態にあります。
ただ今後は、工業だけでなく、ハイテク技術の開発や、製薬業、そしてサービス業などにも力を入れていくとのことで、すでにサービス業の成長率は中国第1位となっています。
吉林省の経済は一時期低迷していましたが、今はまさにその困難を乗り越え、大きく成長する時期に入っているといえるでしょう。
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