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琿春に進出した日本企業・小島衣料

2009-07-21 12:25:04     cri    

小島衣料の中 日系企業だけに日本語の表記があちこちに……

 第5日目は、延辺朝鮮族自治州の中でもさらに東南の琿春市に来ました。車窓から朝鮮の風景が見られるなど、否応なく国境を意識するところです。ここからさらに東南に2時間ほど行くと朝鮮、ロシア、中国の3国の国境を目にすることができる、図們江に面した防川という場所に出ます。ここはまさに中国の東南端であり、日本海もわずか15キロという近さで、天気さえよければ望むこともできるとのことですが……この日はあいにくの雨模様で、目の前にある国境すら危うい状態でした。

 さて、この日の午後、私たち取材団は小島衣料という服飾メーカーを訪問しました。確かに名前こそあまり知られていませんが、小島衣料が手がけているブランド名を聞けば、日本のデパートでよく見かけるものがずらり。私のクローゼットの中にもここで手がけた製品かもしれない服があるぐらいです。

副総経理の村山文夫氏

 この琿春は1992年に経済開発区に指定され、それからこの市が急速に発展を遂げることになりました。琿春がロシア、朝鮮、韓国、日本から非常に近いということから、貿易の中心地となっただけでなく、この地を製造業などの中心地にしようとすることになりました。今、ここには高速道路や鉄道も建設され、ますます便利になってきています。さらに図們江を下り、ロシア、新潟、韓国とまわる航路の開設が進められており、目下試験運行中で、まもなく正式にスタートする運びです。

 そんなところに着目したのがこの小島衣料でした。副総経理の村山文夫さんに話を伺うと、確かに最近の服の製造地は中国を離れ、東南アジア、インド方面にまで移動しているのですが(私が先日買った服はバングラデシュ製でした)、あえて中国を選んだ理由は、輸送コストの安さが挙げられるとのことです。これには海上輸送ルートの計画も視野に入れて進出を決めていました。他のメーカーが中国を去ったことや、さらに金融危機の影響で、他社が担当するものも小島衣料が加工することになったりするなど、中国に進出したことがむしろプラスになっているそうです。今、この工場には500人程度の従業員がいますが、のちには1200人まで増やしていきたいとのことです。

 ちなみに、この琿春市に暮らす日本人は30から40人程度だということですが、村山さんの話によると、中国の他の都市に比べ、比較的さっぱりとした食べ物が多かったり、空気がきれいだったりと、とにかく日本人にとっては暮らしやすい街だそうです。村山さんの話は私も同感です。今後、日本海を縦断する航路が運行するようになると、新潟まではおよそ1日。これを遅いととるか早いととるかは人それぞれだと思いますが、しかし琿春が近くなったことは間違いないのではないでしょうか。(安藤)   

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