ハングルばかりの場所、といえば、北京に詳しい人なら、韓国人が多く暮らすエリア、望京にでも行ったのかと思われるかもしれませんが、当然そうではありません。
もちろん中国といえば漢字の故郷、街に出れば漢字の洪水……と思う方も多いでしょう。中国の多くの都市ではそうですが、しかし少数民族が暮らす地域では、その民族が使う文字が併記されています。そう、ここはハングルが使われている場所、中国の少数民族の1つ、朝鮮族が暮らす延辺朝鮮族自治州です。
第4日目の19日は長春を午前10時に出発し、途中、吉林市で昼食をとったあと、夕方5時に延辺の中心地、延吉に到着。移動距離は400キロ近く。吉林市を越え、延辺に入ったとたん、高速道路の表示が中国語と英語に加え、ハングルが使われていました。
高速道路の回りは中国一の生産量を誇るだけあって、トウモロコシ畑ばかりでしたが、しかし景色は本当に素晴らしく、「きれいだなあ……」とつぶやくばかり。吉林省のお隣、黒龍江省の景色が広大な田園風景であったのに対し、こちらはそれに山と木々の緑が加わって、ヨーロッパのような雰囲気もありました。もちろん、これに人々の暮らす家が加わると、「あ、ここはアジアだ」と思うわけですが。中には藁葺きの屋根もあったりして、ここは日本と近い場所だな、と感じさせました。
夕食はもちろん朝鮮料理でした。しかし普段、北京や東京でよく見かけるものとも、野菜の割合が置く、やや違うような気がしました。もちろんキムチやチヂミが出てくるのは同じです。延辺大学出身の朝鮮語部の石記者にたずねると、ここの料理は中国の料理の良さと朝鮮の料理のよさを1つにしたものになっているとのことでした。確かに、食事の最後に出てきた冷麺は、しょっぱすぎず、酸っぱすぎず、ほどよい味付けがなされていて、とても美味しかったのが印象的でした。これも朝鮮と中国のよさを取り入れたものなのでは、と思いました。
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |