広州一帯は古来より水資源が豊富で、降雨量も多く、気候に恵まれています。東と西、そして、北の三方は丘陵に囲まれており、自然が豊富で、多様な動植物が生息しています。南は海に臨み、さまざまな海鮮が取れます。そのため、広州はかつてより、食材が最も豊かな地域とされています。
広州の料理と言えば、最初に思い出すのはやはり広東料理でしょう。広東料理はさまざまな食材や料理方法が用いられ、バリエーションに富んでいます。1956年に行われた「広州グルメフェスティバル」では、広東料理5447種類と広東の飲茶815種類が紹介されました。また、広東料理には長い歴史があります。漢と魏の時代、中原地域から多くの人が嶺南に移り住んできたことから、広州の食文化は中原の文化の影響を深く受けました。さらに、アヘン戦争の後、欧米から、多くの宣教師や商人が広州に入ってきたことで、広州の飲食業が大きく発展しました。このような中原地域、および西洋文化との交流により、広東料理は地元の料理を元に、中原の美食と西洋料理の長所を取り入れた、独特の食文化へと変化していきました。「食は広州」と称えられる所以(ゆえん)はここにあるわけです。
広州には、大通りから小さな路地まで、町の至る所にレストランがあります。ここでは、全国各地の料理、世界各地の美食を味わうことができます。広州レストラン弁公室の趙利平主任は「広州には数万社の飲食企業がある。いつ、どこでも、食事処を見つけることができるし、食べたいものが必ず見つかる。日本料理や、西洋料理、伝統的な広東料理などなど、何でもある」と述べました
広州の人はスープや夏には冷たいお茶を好んで飲みます。広州は湿気が高いため、スープと冷たいお茶が生活に欠かせないものとなっているわけです。広州市民の陳芳さんは「スープがないと食が進まない。毎日といっていいほど、スープをつくる。特に、広州では胃や脾臓によいスープ、それに、美容効果のあるスープが親しまれている」と語ってくれました。
また、広州の飲茶(ヤムチャ)は多くの人を惹きつけてやみません。かつては朝食を兼ねた「朝茶」だけでしたが、現在では、それに加え、午後のお茶「午後茶」、夕食を食べた後の「夜茶」まであります。広州のほとんどのレストランで飲茶を楽しむことができ、お茶請けとして食べるさまざまなお菓子が最大の魅力です。
広州の飲食は食事と料理方法が芸術のレベルにまで高められており、嶺南文化の重要な要素となっています。そのため、中国およびアジア太平洋地域の食文化にも大きな影響を与えました。広州地区飲食業協会の秦鑑洪会長は「広東料理はその恵まれた環境によって育まれたものであり、その食文化には嶺南の特色が現れている。改革開放が実施され30年が経ったが、広東料理は中国の食文化を常にリードしてきた。食は広州にあると言うが、広東料理は現在、世界に広がりつつある。世界においても、中国人のいるところには、必ず広東料理がある」と述べました。
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