広州は中国の第6回と第9回の全国スポーツ大会のほか、全国少数民族スポーツ大会、全国大学生スポーツ大会、および多くのスポーツ種目の世界選手権を開催してきました。現在、広州には、天河スポーツセンター、広東オリンピック・スポーツセンター、広州体育館など数多くの体育館やスタジアムがあります。また、大学タウンにも関連のスポーツ施設が設けられています。そのため、これら既存の体育館やスタジアムをいかに活用するかということが、広州アジア大会組織委員会の重要な仕事の1つとなっています。
アジア大会の開催に向けて、広州アジア大会組織委員会は既存の体育館58ヵ所とスタジアム2ヵ所を改造することを決定しました。これについて、器材部の彭高峰部長は「各行政区に、改築を行う体育館やスタジアムがある。改築の理由としては、3つ挙げられる。まずは、アジア大会のニーズ。次に、既存の体育館やスタジアムの消防や安全レベルを向上すること。最後に、改築により都市の景観を変えることだ」と述べました。
改築工事によって、これらの施設は、アジア大会のニーズを満たすだけでなく、大会後も利用することができます。改築工事の原則について、彭高峰部長は「まずは、二次改築を防止するために、設計の面では施設の機能と工事の建設を結び付ける。次に、施設の設計において機能面の実用性を重視する。3つ目に、大会後、一部の施設は別の用途に使われる可能性があるため、その用途転換の面にも配慮する。4つ目に、コストを抑え、無駄遣いを減らす。」
改築工事にあたっては、体育館やスタジアムそのものを改築するだけでなく、その周辺施設や環境の整備にも力を入れています。これは、広州市の都市発展戦略に合致するものです。広東省スポーツ施設器材センターの胡国清主任は「今回の補修と改築により、体育館やスタジアムなどの関連施設はさらに完備された。室内外のスポーツ施設が一層充実化されたとともに、都市自体の品位もさらに向上した。これにより、この地区の機能やイメージも改善されていくだろう」と話してくれました。
競技場は広州市のあちこちに分かれていることから、アジア大会期間中、各競技場と宿泊地の間を選手が速やかに移動できるようにすることが非常に重要となります。そのため、広州アジア大会組織委員会と広州市の関係部門は地下鉄など公共交通機関を十分に利用するなどさまざまな対策をはかっています。これについて、彭高峰部長は「体育館やスタジアムを改築するほか、道路の整備にも力を入れている。大会の前に、道新しい道路の敷設や、立体交差橋の建設、および現在進めているバス・ラピッド・トランジットの構築などを行っている。このように、広州市の交通をさらに進化させていく必要がある」と述べました。
既存の体育館やスタジアムを改築するとともに、一部の競技場を新設することは、大会のニーズを満たすと共に、節約の理念を表しています。これについては、広州市民も支持を示しています。市民の李海さん「このようなやり方は経済的でいいと思う。そうでなければ、お金や土地が無駄に使われることとなるからだ。体育館やスタジアムが改築されれば、さらに近代的で、きれいな建物になるだろう」と語りました。
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