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草原の歌

2016-08-19 16:38:50     cri    

 八月中旬の北京は雨の日を重ねていくたびに、徐々に涼しくなってきます。すでに北方の蒙古草原では秋の気配を感じ始めています。今回の中国メロディーは草原をテーマに音楽をお送りしましょう。

緑の草原

 天蒼蒼 野茫々 風吹草低見牛羊(空は青々として、原野は広々と果てしない。風が吹き、草むらがなびくと牛や羊が見えてくる・・・) これは南北朝時代の民謡「敕勒(敕(ちょく)勒(ろく)の歌)」の一部です。

 学生時代にこの詩を読むたび、いつも美しく広々とした草原の様子が目の前に浮かびました。そして、数年前に草原をこの目で見てからは、この詩の情緒をさらにしみじみと感じられるようになりました。

 見渡す限りの緑の草原には白い羊の群れが丘から丘へ行ったり来たりして、どこに行っても、まるで広々とした緑の絨毯に白い花が刺繍されているようでした。また、ガラスの帯のように光り輝く草原の川の両岸には、牛や馬がゆったりと草を食(は)んだり、佇んでいたりしています。この美しい草原を心行くまで味わっているのでしょう。

草原の鷹

 蒙古草原では、モンゴル帝国初代皇帝のチンギス・ハンは蒙古族の人々から最も勇ましい鷹とされています。

 12世紀に蒙古族の各部落を統一し、ヨーロッパとアジアを跨る世界最大の帝国・モンゴル帝国を築きました。彼が率いる騎兵は破竹の勢いでロシア、アフガニスタン、インド北部などの広大な土地を占領し、戦えば必ず勝ち、攻めれば必ず落とす「戦争の神様」とされていました。

 そんな軍事的天才であるチンギス・ハンの子孫は今、草原の鷹の勇敢さと粘り強さを受け継ぎ、広々とした蒙古草原で活気溢れる暮らしをしています。

楽しいナダム大会

 夏は草原の最も美しい季節で、この時期には、蒙古族が年に一度祝う夏の祭典・ナダム大会が行われます。各地からはるばるナダムの会場にやってくる多くの蒙古族の牧畜民は、きれいな民族衣装を纏い、歌ったり踊ったりしてナダム大会を祝います。いつもは静かな草原も、色とりどりの旗や蒙古族の住居であるテントのパオ、それに馬たちのいななく声に包まれます。

 ナダム大会で最も注目を浴びるのはモンゴル相撲で、選手たちのたくましい体と鷹のような勇ましい動きは、すべての観客の目を惹きつけます。 ナダム期間中、シリンゴル草原は歌の世界と喜びあふれる海となり、人々がここで草原の楽園に生きる喜びを楽しみます。

番組の中でお送りした曲

 1曲目 鄂呼兰 德呼兰(オフラン、デフラン) 

 この歌はフルンボイル児童合唱団が歌ったものです。この歌はエヴェンキ族の民謡で、エヴェンキ族の人々が新しい牧場へ引っ越した後、男性が外で狩りをし、女性と子供たちは家事で忙しく働きながらも楽しく過ごしている様子を描きました。歌の中の「オフラン、デフラン」というのはエヴェンキ語ですが、この言葉に特に意味はありません。調子をとるための囃子言葉として曲の中に多く登場し、子供たちの楽しい気持ちを表現しています。

 2曲目  蒙古人(私はモンゴル人)

 この歌は、蒙古族の実力派歌手テンゲルが唄ったものです。生まれ育った地を離れた蒙古族の人々の故郷に寄せる思いを描きました。

 歌詞

 アリガリの煙立ちのぼる

 牧民の家に生まれた私

 故郷の草原を

 揺りかごだと思う

 この人こそモンゴル人

 故郷の愛する人よ

 3曲目 遥遠的妈妈(遥か遠くの母)

 この歌は蒙古族の女性歌手ハーリンが歌ったものです。

 歌詞:

 はるか遠いところ

 その夜空の星はとても明るい

 私はあの広々とした草原に生まれ

 母の優しい歌の中で育った

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