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愛蓮歌

2016-08-12 16:51:20     cri    


 立秋を過ぎ、暦の上では秋となりました。まだまだ暑い日が続いていますが、池のそばの草むらから流れてくる蝉やコオロギなどの鳴き声が、一時の秋の涼を届けます。でも、ほとりにいる可愛い赤トンボやカエル達の夏の歌は続き、池の中に咲き誇るピンク色の蓮の花や青々とした蓮の葉が、まだまだ夏を感じさせてくれます。今回の中国メロディーは蓮にかかわる音楽をお送りしましょう。

花の君子

 夏、すらりとした蓮の花は激しく照りつける太陽のもとで咲き誇ります。蓮は濁った泥水の中にあっても、清らかで美しい花を咲かせることから、「花の中の君子」と言われています。

 中国ではそんな蓮の花を讃える詩が昔から多く残されてきました。そのなかでも最も有名なのは、宋の時代の周敦頤(しゅうとんい)の『愛蓮説(あいれんせつ)』 の中の蓮の花の美しさをたたえる名句で、「泥より出でて染まらず、さざなみに洗われて清々しい(予独愛蓮之出淤泥而不染)」と記しました。蓮の美しさが持つ孤高のすぐれた品徳を表したものです。

孫文蓮

 1908年、「中国革命の父」と呼ばれる孫文が日本居留時、大家の田中隆が孫文の革命活動を支持することに感謝を示すため、君子との間の友情を象徴する四粒の蓮の実を田中隆に贈りました。また孫文は、「中国と日本は一つの根に咲く二つの蓮の花であり、蓮根の糸のように切り離されることはない」と話しました。

 現在、「孫文蓮(そんぶんれん)」と名付けられたこの蓮は、山口県下関市の長府庭園で咲き続けています。

蓮の中の君

多くの蓮の花が賑やかで

君は最も僕のそばにいて

最も静かで 最も優しい一輪の蓮の花

僕は池の中心に

一つの石ころをそっと投げる

君の顔が

あっと言う間に赤くなる

 この詩は現代詩人・洛夫の詩「衆荷喧嘩(蓮の中の君)」です。詩人は好きな子を蓮の花にたとえ、その優しく美しい様子を表現しています。

 洛夫は「蓮を確かに愛でる人こそ、真の愛情を理解することができると思う」と語っています。蓮を愛するということは、その美しい花びら、清々しい香りの葉、すらりと伸びる枝はもとより、秋の枯葉を愛し、さらには彼女に栄養を与える濁った泥も楽しむことができるということです。花が散ったときには、その青々とした葉を愛で、葉が枯れたら、雨が落ち葉を打つ雨音を愛でます。蓮の全てを愛することこそが真に愛すると言えるのでしょう。

番組の中でお送りした曲

1曲目 採蓮(蓮を摘む)

 この歌は漢の時代の古い民謡をモチーフにし、水郷の風情とともに男女の情愛を歌っています。

歌詞

 江南水郷 蓮を採るべく

 水に浮かび 連なる蓮の葉

 魚は 蓮の間に 戯れ

 魚は 蓮の東に 戯れ

 魚は 蓮の西に 戯れ

 魚は 蓮の南に 戯れ

 魚は 蓮の北に 戯る

2曲目 荷花頌(蓮の賛歌)

 この歌は甘粛省の民謡「荷花頌(蓮の賛歌)」です。

歌詞:

 澄み渡った いい天気

 蓮の花が水面に咲き誇り

 様々な花の中で 彼女が最も美しい

 みんなは彼女が好きだ

3曲目 睡蓮

 この曲は賈鵬芳の二胡の名曲「睡蓮」です。その情感あふれる美しいメロディーは、旅人が故郷を恋しく思う気持ちを描きました。

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