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真夏の北京は晴れたり豪雨になったりで、まさに中国の諺にある「旧歴6月の天気は子供の顔のようにすぐ変化する」といった空模様です。夏は私が好きな季節で、セミが高らかに歌い、ホタルがひらひらと舞うのを楽しむことができます。そして、この時期だからこそ楽しめるものに海があります。そこで、今回の中国メロディーは夏の海辺にまつわる物語と音楽をご紹介しましょう。
海を見に行く
私が海と初めて出会ったのは15歳の夏でした。汽車に乗って生まれ育った北京を離れ、たくさんの期待を胸にビーチリゾート「北戴河」に向って旅に出ました。しかし、文学作品の中に描かれていた白い砂浜、鮮やかなブルーの海という美しい光景とは違い、目の前には灰色の海が広がっていて、ちょっとがっかりした記憶があります。
でも、この一面に広がる灰色の海は、小説「青春の歌(青春之歌)」のヒロインで、美しいけれども気丈な林道静が小説中に登場する舞台です。そこに登場する海はその広い心で人々の心を癒し、生まれ変わる強い力を与えてくれます。
「魚市場交響曲」
海辺で新鮮な海のグルメを食べたいなら、朝早くに魚市場へ行くことは外せません。朝5時、海に出た漁船が港に戻ると、海辺の魚市場は賑やかになります。
漁師たちが苦労して捕った海の幸を魚市場で売り、市場にはさまざまな新鮮な魚や忙しく動き回る漁師、買い手などが一緒になって活気あふれる「魚市場交響曲」を奏でます。しかし、そんな交響曲は朝7時には終わり、賑やかな魚市場に静寂が訪れます。そのあと、さまざまな海産物は家庭の食卓に運ばれ、おいしい海鮮料理へと生まれ変わります。
金色のほら貝
海の物語で有名なものと言ったら、アンデルセンの童話「人魚姫」でしょう。愛のために自分の身を犠牲にするその物語は、世界各国を感動させました。
中国の古い伝説の中には、海辺で起きた美しい恋物語があります。また、この物語をモチーフにしたアニメ映画「金色のほら貝」は多くの中国人の子供時代の美しい思い出となっています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 大海(海)
歌詞:
あの遥か遠い海辺
ゆっくり消えていった君
君の姿が霞むほど
記憶の君は鮮明になる
話したくても何から話していいのか分からず
その想いをただ 心の奥にしまった
2曲目 外婆的澎湖湾(おばあちゃんの澎湖湾)
この歌は台湾の民謡の王様・潘安邦(パン・アンバン)のデビュー曲です。彼が小さい時、おばあさんと一緒に台湾列島の西にある澎湖湾に暮らしていました。歌は彼がおばあさんと過ごした幸せな日々を歌い上げています。
歌詞:
夜風が澎湖湾に吹き渡り
白い波は砂浜に押し寄せ
ヤシ林はないけれど
青々とした海が広がっていた
3曲目 海上花(海の花)
映画「海上花(海の花)」のテーマ曲です。歌は19世紀末期、上海に生きる女性の愛情を歌い上げました。
歌詞:
優しいあなたが私に夢を与えてくれ
私と夢の海を巡る
あなたの広い腕の中で
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