花が咲き誇る北京の5月。一年中で最も美しい季節を迎えます。冬の長い眠りを経て、様々な植物が再び生気を取り戻し、美しい花を大地という母親に捧げます。それはまるで育ててくれた母親への恩返しのようです。これほど美しく成長した子どもたちを見て、母なる大地は溢れるほどの幸せと誇りを感じていることでしょう。今回の中国メロディーは母を讃える歌をお送りしていきます。

母は子供の守護天使

　母親は私たちに命を授け、私たちを育ててくれるかけがえのない大事な人です。母親は、どんなときでも私たちを愛し、支えてくれます。神様はこう言いました。「母は私がすべての子供に贈る守護天使である」と。

世界で一番ママがいい

　中国の伝統的な母親といえば、献身的な精神で子供のために苦労に耐えて、家族への責任を担う母親を思い浮かべます。例えば、1990年の映画「媽媽再愛我一次（ママ、もう一度僕を愛して！）」の中の母親は、まさに中国の伝統的な母親像と言えます。この映画では、一般庶民の少女・黄秋霞は御曹司・林国英と愛し合い、妊娠しましたが、林国英の母親は息子に名門の令嬢と結婚させるため、二人を離れ離れにしてしまいました。黄秋霞は一人で息子・志強を育てようと決心しましたが…

　当時、私は泣きすぎてしまうのが心配だったので、この映画を見に行きませんでした。しかし、その映画の主題歌「世上只有媽媽好（世界で一番ママがいい）」はよく耳にしていたので、今でも心に残っています。この歌は母に捧げる歌として最も人気があります。

心に残る美しい母親

　人によって理想的な母親のイメージは異なります。私の母親は1950年代に新中国が成立した後、赤旗の元で育った新中国の女性です。当時は女性が社会に出始めた頃で、男性と肩を並べて一緒に働き、天の半分を支えるという女性解放の思想が提唱されていました。

　しかし父親は仕事で忙しくてよく出張していたので、母親はいつも一人で働きながら私と兄の世話をしていました。その時の家族写真を見ると、母と共に過ごした何物にも代えがたい幸せな時間が思い出されます。私の心の中にいる母親はいつまでも世界で最も美しい母親です。

タイガーママ

　一人っ子時代の到来に伴い、ますます多くの親は唯一の子供が出世するために、幼いころから厳しい英才教育を施します。その中でも厳しすぎる教育ママは「虎媽」、日本語ではトラの母親、タイガーママと呼びます。

　タイガーママという呼び方は、2011年にイエール大学法科大学院の中国人女性教授・蔡美児氏が執筆したベストセラー「虎媽戦歌（タイガーママの賛歌）」から来ています。蔡教授は、厳格に子供を教育することのメリットを主張し、その厳格なスパルタ式の教育方法は極めて大きな論争を呼びました。英才教育を崇拝する一部の教育ママにとって、「タイガーママの賛歌」は英才教育のバイブルに違いませんが、しかし、より多くの一般の母親は子供を英才教育から解放し、将来は平凡で幸せな人になってもらいたいと願っています。

　番組の中でお送りした曲

1曲目～　世上只有媽媽好（世界で一番ママがいい）

歌詞

ママがいる子は宝物のよう

ママの胸に抱かれて　とても幸せ

ママがいない子は　とてもかなしい

ママがいない子は　雑草のよう

ママの胸を離れて

幸せをどこで見つければいいの

2曲目～　燭光裡的媽媽（蠟燭の光のママ）

歌詞

ママ　私は言いたいことがあるけど

それは言わない

ママ　私は笑ってほしいけれど

目の中に涙があふれていた

ママ、蝋燭の光のママ

あなたの髪が白髪交じりになっているのが見える

3曲目～　今天是你的生日，妈妈（ママ、今日はあなたの誕生日）

今日はあなたの誕生日

ママ、あなたを思っている

小さい時、あなたの暖かい胸にいる時を思い出す

今、僕は大人になる

僕が手を振り、別れを告げてこれから進んでいく