北京
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23/19
中国で5日、全国人民代表大会(全人代)年次総会が開幕した。審議に向けて提出された政府活動報告は、過去1年間の発展の成果を総括し、2022年の重点活動・任務について配置を行い、「安定成長をより優先的な位置に据える」ことを明確に指摘した。
2021年には多くのリスクと試練に直面したものの、中国経済は引き続き回復・発展を保ち、昨年の中国の国内総生産(GDP)は114兆4000億元(約2079兆円)に達し、米ドル換算で1年間の増分は3兆ドルに達し、世界の経済発展史上かつてないものだった。
全世界で新型コロナウイルスの流行が続き、外部環境はより複雑で厳しく、不確実なものとなり、中国経済の発展は、需要の縮小、供給の衝撃、期待の低下という三重の圧力に直面している。そうした中、中国は2022年のGDP成長率目標を5.5%前後に設定し、中国経済の発展が直面する内外の情勢を十分に考慮し、経済運営の実情に即し、「安定最優先」を体現した。
実際、昨年8.1%成長を実現した後での今年のこの目標はすでに「高い基準値の中高速成長」だ。国際コンサルティング会社A.T.カーニーの周鵬遠氏はCRI時評に対し、パンデミック後の経済のリバウンド効果を考慮すると、2年平均5.1%の成長率と比較して、今年の経済成長目標は間違いなく「前向きかつ野心的」との見方を示している。
政府活動報告では、経済成長目標の他に、今年の主要な目標として、「都市部の新規就業者数を1100万人以上とし、調査失業率を年間5.5%以内に抑える」「消費者物価の上昇率を3%前後とする」「食糧の生産量を6億5000万トン以上に保つ」などが掲げられた。雇用安定、民生保障、リスク防止という「安定成長」の鍵となる分野が全て目標設定において考慮されたことが容易に見て取れる。
「安定」した基盤をしっかりと守って初めて、より多くの「進歩」の余地が生まれる。中国は今年、高水準の対外開放を継続して拡大し、外資参入ネガティブリストを踏み込んで実施し、外資企業への内国民待遇を実行し、ビジネス環境を継続して最適化し、より多くの投資を呼び込む。開放された中国の大きな市場は、中国により多くの投資を呼び込むだけでなく、全世界の企業にも中国での発展の機会を提供するだろう。また、「一帯一路」協力および地域的な包括的経済連携(RCEP)協定をはじめとする多くの双方向経済貿易協力が深まるにつれ、中国はより多くの国々との協力において互いの利益と全員の利益を実現する。
中国は、世界第二の経済大国として、通年の目標・任務を達成すると同時に、世界経済の回復により多くのプラスのエネルギーを捧げ、引き続き世界経済の「安定装置」となる。(CRI論説員)