北京
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温室効果ガスの排出量を減少に転じさせる「カーボン・ピークアウト」と排出量を実質ゼロにする「カーボン・ニュートラル(炭素中立)」について実施した追跡研究をまとめた中国初の報告書が29日に北京で発表されました。「中国の炭素排出のピークアウト・炭素中立進展報告(2021)」と題された同報告書は、「産業構造の調整とエネルギー構造の調整、省エネと効率向上の推進を持続させることは、炭素排出のピークアウトと炭素中立の実現の鍵となる道筋」と指摘しました。
中国国際経済交流センターの景春梅研究員は、「産業構造を最適化せねばならない。現状では化工、金属、非鉄金属、冶金、鉄鋼のエネルギー大量消費型の五大産業が炭素排出の80%以上を占めている。これらの産業の炭素排出を重視し、産業構造を最適化する必要がある。同時に、エネルギーのモデルチェンジを促進せねばならない。石炭使用を減らし、石油消費を安定させ、天然ガス消費の比率を向上させ、新エネルギー消費を増加させていく。また、省エネとエネルギー効率の向上を強化し、交通や建築、工業などの分野でのエネルギー効率を着実に向上させていく」と説明しました。
報告書は、10年以内に炭素排出のピークアウトを、さらにその30年後に炭素中立を実現することは大きな挑戦となるとの見方を示した上で、新技術、新業態、グリーン金融を発展させる大きなチャンスでもあると指摘し、「エネルギーの安全と経済発展の保障を大前提に、新エネルギーへの切り替えを急ぎ、低炭素型社会へと円滑に移行していく」と論じました。(玉華、鈴木)