北京
PM2.577
23/19
中国工程院の院士である呼吸器疾患専門家の鍾南山氏は11日、広東省広州市内で開幕した2021年グレーターベイエリア・サイエンス・フォーラムで、「科学誌ネイチャーの評価基準によると、中国製ワクチンの効率が70%と仮定すると、理論上、中国が集団免疫を獲得するには接種率が全人口の83%に達する必要がある。中国では現在、総人口の81.9%に相当する11億5000万人がワクチンの接種を完了しており、今年末までに集団免疫を獲得する見込みだ」と述べました。
2021年グレーターベイエリア・サイエンス・フォーラムに出席した鍾南山氏
鍾院士は、新型コロナウイルス感染症対策における当面の急務として、歴史的経験で言うところの「集団免疫」獲得のためのワクチン接種を挙げています。鍾氏によりますと、中国では現在、11億5000万人が接種を完了しており、接種率は81.9%で、今年末までに予定の83%に達する見通しです。また、ワクチンのほとんどは接種半年後に抗体の水準が低下し始めることからブースター注射が必要で「ワクチンによる集団免疫は、ウイルスの脅威を大きく弱めることができる」としています。
鍾院士が次に挙げたのが抗体医薬品です。国際新型コロナウイルス治療薬「BRII-196」がこのほど米国と中国で同時に発売されました。鍾氏によりますと、中国の雲南省や青海省、内蒙古自治区などでは多くの重症患者が治療により症状が改善していて、中国でデルタ株感染による死亡率が非常に低いことは治療薬が確実に効いたことの表れです。鍾氏はまた、低分子医薬品と漢方薬の研究を強化するよう強調しました。
鍾院士はさらに、科学技術で感染症に打ち勝つには異なる学問分野にまたがる研究と世界各国の連携が必要だと強調しました。海外の科学者はわずか数カ月でmRNAワクチンを開発しており、中国も現在4、5種類の比較的成熟したサブユニットワクチンを開発できたことは、国内・国際の共同努力の結果だと述べました。(閣、柳川)