廃塩坑をグリーンな「充電器」に

2021-11-17 11:36  CRI

 このほど、圧力が100気圧を超える空気が1000メートルほどの地下塩坑から勢いよく流れ出し、世界最大の空気タービンを駆動して稼働し、中国初の大型圧縮空気エネルギー貯蔵発電所でためた電気を国家電網(中国国有の電力送配電会社)に送り出しました。

 これは世界初の"追い焚き"なし圧縮空気エネルギー貯蔵発電所の発電試験が成功し、中国の新型エネルギー貯蔵技術の開発と利用の面において大きな進展を遂げたことを意味しています。同発電所の第1期工事の発電設備は60メガワット、エネルギー貯蔵容量は300メガワット時、長期的な建設目標は1000メガワットに達します。

廃塩坑をグリーンな「充電器」に

写真:岩塩が採掘され後に残された洞窟

 塩坑のエネルギー貯蔵は充電器の原理に似ており、塩坑の圧縮空気エネルギー貯蔵技術を通じて実現したものです。この技術は電力網の過剰または非ピーク時の電気エネルギーを使って、空気を高圧状態に圧縮するとともに、地下の塩坑に貯蔵。電力使用のピーク時になると圧縮空気を放出して発電する仕組みとなっています。

 塩坑とは、岩塩が採掘され後に残された洞窟で、高圧空気を貯蔵するのに理想的な場所です。江蘇省常州市金壇北西部の丘陵地帯の地下1000メートル以上の奥深くに、巨大な岩塩鉱があります。地下岩塩鉱の面積は66.5平方キロメートル、総埋蔵量は125億トンを超えると確認されました。

 圧縮空気のエネルギー貯蔵技術は新しい技術ではなく、そのシステムは追い焚き式と追い焚きなしの2種類に分けられます。現在、世界で商業運転に投入された2基の圧縮空気エネルギー貯蔵発電所はいずれも追い焚き式で、システム運行中に化石燃料を消費する必要があり、その電気エネルギーの変換効率は低いということです。

 近年、太陽光発電と洋上風力発電の大規模な開発に伴い、中国の新エネルギー発電設備容量が急速に増加しています。江蘇省を例にしますと、2020年末現在、新エネ発電設備容量はすでに4000万キロワットを突破しており、全省の発電設備総容量の22.8%を占めています。(ZHL、浅野)

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10月29日放送分
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周莉