北京
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中国の李克強総理は10月26日午後、北京の人民大会堂で開催された第24回中国・ASEAN首脳会議に出席しました。2021年ASEAN議長国であるブルネイのハサナル・ボルキア国王をはじめ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの首脳が出席しました。李総理はハサナル国王とともに会議を主宰しました。会議はビデオ形式で行われ、リム・ジョクホイASEAN事務総長も出席しました。
李総理は、中国とASEANの協力の次のステージに関し、以下の6つの提案をしました。
第一に、双方は共に国民健康防衛ラインを構築すること。感染対策における意思疎通と協調を強化し、中国はASEAN諸国へのワクチンと感染症対策物資の援助をさらに増やし、早期警戒と緊急対応能力を高めたいと考えている。中国側は「中国・ASEAN公衆衛生科学技術協力センター」の設立を提案する。
第二に、経済の融合を深めること。地域的な包括的経済連携協定(RCEP)の早期発効を後押しする。中国側はすでに「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP/TPP11)」への加盟を正式に申請しており、ASEAN諸国からの支援が期待されている。
第三に、包摂的な発展を推進すること。ブルーエコノミー・パートナーシップの構築を加速する。国際発展協力を強化し、ASEAN諸国に専門機関を設立し、発展協力のモデル拠点を構築する。
第四に、イノベーションの推進を堅持すること。今後5年間の科学技術革新パートナーシップ行動計画を着実に実行し、中国・ASEAN工業産業設計協力の展開を検討し、『中国・ASEANデジタル経済パートナーシップの実施に関する行動計画(2021-2025)』を早急に策定する。
第五に、グリーン協力を拡大すること。『中国・ASEAN環境協力戦略及び行動枠組み(2021-2025)』を着実に実行し、気候変動に対し共同で取り組む。
第六に、双方の世論の基盤を固めること。感染対策の安全性確保を前提に、ASEAN諸国からの留学生の中国への入国・復学などの問題を段階的に処理する。中国とASEANのハイレベルの教育関係者が会合を持つ仕組みを提案する。
李総理はまた「中国側は周辺外交において、常にASEANを優先しており、ASEANが地域・国際問題でより大きな役割を果たすことを強く支持している。中国はASEAN側と対話関係樹立30周年記念サミットを共催する意向を持っている」との考えを示しました。(hj、鳴海)