北京
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今年は中華人民共和国の国連における代表権回復50周年です。中国はこれまでの50年で、医療や衛生の資源が不足する国から、世界的な公衆衛生危機への対応で中心的な役割を発揮する国になり、「粗放型成長」をする国から世界の環境や気候のガバナンスをリードする国に変わりました。中国は国際社会の世界規模の課題への対応で、ますます重要な役割を担いつつあります。
第76回国連総会の一般討論に北京からビデオ形式で出席し演説を行う習近平国家主席
新型コロナウイルス感染症の発生以来、中国の習近平国家主席は「人民の命の安全と健康を最優先する」ことを強調してきました。習主席は9月21日に行われた第76回国連総会の一般討論演説で、「ワクチンを世界の公共財として、発展途上国がワクチンを入手でき、費用を負担できるようにすべきである。そのための当面の急務は、全世界で公平かつ合理的にワクチンを分配することだ。中国は今年通年で、ワクチン20億回分を世界に提供するよう努める。『COVAXファシリティー』(ワクチンを発展途上国に供給する国際的な枠組み)への1億ドルの拠出に加え、年内に発展途上国に1億回分のワクチンを無償提供する」と述べました。
気候変動は、突発的な世界規模の公衆衛生上の事件に比べても、人類にもたらす課題はより深刻で長期的なものです。習主席はこの課題について、「『パリ協定』は世界のグリーン・低炭素へのモデルチェンジの大きな方向性と地球を守るための最低限の行動を示している。各国は決定的な一歩を踏み出すべきだ」と指摘しました。
習主席は昨年9月、中国は2030年までに二酸化炭素排出量をピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現させると宣言しました。今年4月に開催された気候変動サミットで、習主席は国際社会に対して、かつてないほど野心的になり行動し、心を合わせて連携することで、「人と自然との生命共同体」を共に築くことを改めて呼びかけました。(鵬、鈴木)