北京
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香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは9日付けで、中米関係を論じる記事を掲載しました。
記事は「カブールからの撤退に伴い、米国は自らにとって最も長かった戦争を終わらせた。米国による『(侵入者は必ず失敗する)帝国の墓場』における民主主義育成は挫折した。米国のこの行動(アフガン撤退)は、アジア太平洋地域に手を伸ばすためだ。しかし、『自由民主』による弊害を中国のせいにするならば、米国はまた別の、手痛いトラブルに陥る可能性が高い。米国はそれとは逆に、多極的世界秩序という現実を受け入れ、中国との平和共存を学ばなければならない」と論じました。
さらに、「東南アジアにおける中国の増え続ける影響力に対する米国の反応は、不適切な軍事化だ。中国は『一帯一路』イニシアチブを通じて、地域全体の社会と経済の水準を向上させようとしている。中国政府は一方で、『健康シルクロード』の方針に基づいて、生態システムを構築することにより、次に発生する感染症の大規模流行に対して東南アジア諸国がよりよく対応できるようにしようとしている。しかし米国はどうだろう。マレーシアなどにワクチンを寄付したことを除き、米国の『ワクチン外交』は一時的かつ一貫性のないものだった。先進7カ国グループが提案した『より良い世界再建』構想がこの地域で効果を出せるのか、あるいはいつ効果を出せるかは、未知数だ。現状で見られるのは、南海における米国と盟友の軍事力のひけらかしだけだ」と評しました。
記事はまた、「中国は世界的な影響力があるため、中国の威権主義が他国の民衆の生活様式に影響を与えるかもしれない。中国政府はこの点を認めて、一理ある懸念を軽減するべきである。米国政府は、多文化かつ多宗教という人類大家族には、何が善であるかということについて異なる考え方があると認識せねばならない。米国は、(西側の)自由民主を中心とする世界秩序についての単一の見方を乗り越えて、他のガバナンス・モデルの合法性を認めなければならない」と呼びかけました。
記事は最後に、「米国政府が民主主義の価値観を守り続けたいと望むならば、一つの都合の悪い事実をはっきりと認識せねばならない。それは、米国は唯一の『灯台となる国』ではないことだ。米国は、自らには天命があるとの感覚を捨て去り、多極化した世界と台頭する中国と共に世界という舞台を共有することを学ばなければならない」と指摘しました。(閣、鈴木)