北京
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北京西部にある元大手鉄鋼メーカーの跡地、「首鋼工業パーク」。9月初め、初めて大型展示会が開催されることで、ここに注目が集まっていました。日本語放送の小林千恵リポーターがこの地を初めて訪れ、園内の変貌ぶりをお伝えします。
9月2‐7日、首鋼工業パークで開かれた大型展示会入口の様子
「首鋼グループ」は1919年に北京に設立した華北地区最古の鉄鋼メーカーです。最盛期には20万人あまりの従業員を有し、北京市税収の四分の1を支えていました。
2008年北京オリンピックの誘致成功に伴い、北京では青空キャンペーンが始まり、「首鋼」の丸ごと移転が決まりました。移転作業は2005年に始まり、2010年末に終了しました。現在、製鉄工場は北京から約280キロ離れた河北省唐山市の曹妃甸に移転しています。残った広さ8.63平方キロメートルの跡地が「首鋼工業パーク」です。
園内の湖の眺め
首鋼工業パーク北区の地図
ところで、この膨大な遊休地の再利用を計画するにあたって、転機となったのは北京が2015年に冬季オリンピック・パラリンピックの誘致に成功したことでした。その後、組織委員会のオフィスが首鋼工業パークに入居することが決定しました。
その一連の流れの中で、北京冬季オリンピックの開催が半年後に迫ったいま、9月2日~7日まで開かれた、中国を代表する「国際サービス貿易交易会」の会場として初めて利用され、首鋼工業パークは大好評を博しました。
北京で開催される2度のオリンピックがきっかけで、大きな変貌を遂げた旧工業団地。実は、変わったのはモノづくりや工場の風景だけでなく、ここで汗を流した人々の働き方にも大きな変化が見られました。
案内人の姜金玉さん(44歳)もその一人。
2021年中国国際サービス貿易交易会・メディアセンターで記者の問い合わせに答える姜金玉さん
姜さんは18歳で首鋼グループに就職し、クレーン運転士として活躍していましたが、現在はここで解説員を担当すると同時に、北京冬季オリンピック・パラリンピック組織委員会の事務要員でもあります。
旧工業団地のいまの様子、そして、その変貌ぶりをどのような気持ちで眺めているのか、詳しくは映像をご覧ください。
首鋼工業パークでの収録風景
(リポーター:小林千恵、企画・撮影・制作・文責:王小燕、張強)