中国人留学生を米国が強制送還した理由は「学校行事の写真」 外交部が厳正な申し入れ

　このほど、3人の中国人留学生が米ヒューストンの空港で入国した際に、米国の検問を受けたうえで、「米国の国家安全に危害を及ぼす恐れがある」と認定されて送還されました。これに対し、外交部の汪文斌報道官は30日の定例記者会見で、「中国側はこれに強い不満を抱き、断固反対し、これについて米国側に厳正な申し入れを行った」と表明しました。

　汪報道官は、「中国人留学生3人は合法的なビザを取得したうえで、今月15日にヒューストンの空港から入国した際に検問を受け、中国に送還された。その理由は、3人が中国政府の資金援助を受けていることと、そのうち1人の携帯電話に“軍事訓練（注1）”の写真があり、軍事的な背景が疑われたことだという。米国側は虚偽の、あるいは不条理な口実で中国人留学生を送還し、その合法的権益を著しく損ない、中米の正常な人的・文化的交流と教育協力を著しく破壊した。このような特定国の留学生に対する差別的な行動は、米国が自ら標榜する開放と自由の理念と『中国人留学生を歓迎する』という態度表明に完全に逆行している。さらには、国際的な人材交流を展開する時代の流れにも、歴史にも完全に逆行するものであり、当然非難されるべきだ」と指摘しました。

　汪報道官はまた、「中国は米国が誤りを正し、さまざまな口実を利用して中国人留学生に対するいわれのない制限や圧迫をかけることをやめ、中米の人的・文化的交流を妨害し破壊する言動をやめるよう促す。中国は引き続き、中国の留学生が法に基づいて彼らの正当で合法的な権益を守ることを支持する」と強調しました。（RYU、謙）

（注1）軍事訓練

中国で中学・高校・大学の入学時に全ての学生（生徒）を対象に実施される行事。その内容には主に行進などの団体行動、寝具の畳み方などの生活技術、ランニングやほふく前進などのトレーニングがある。寝食を共にする合宿を通して集団生活に慣れ、学生同士の絆が深まるなど、新入生オリエンテーションにあたる行事となっている。