北京
PM2.577
23/19
リー・ロンハオは中華圏音楽界の新世代のシンガーソングライターです。彼の小さな目は魅力的で、淡々とした歌声の中には人を引き付ける力が込められています。特に彼のラブソングは恋人同士が思い合う感情を見事に表現しています。今回の中国メロディーはリー・ロンハオの音楽の魅力をご紹介しましょう。
オールマイティ・ミュージシャン
36歳のリー・ロンハオは、ここ数年、若者に人気の新世代のシンガーソングライターです。「老街(昔の巷)」「雀」、「爸爸妈妈(父と母)」などの曲は平凡な人々の心を歌っています。その淡々とした歌声には深い感情が込められています。また、イーソン・チャンやフェイ・ウォンをはじめとする有名歌手もリー・ロンハオのファンだと自称するほど、彼の曲は魅力的です。
2019年12月にリリースされた6枚目のアルバム「老友記」は、作詞、作曲、編曲、ハーモニーなど全てをリ・ロンハオが一人でこなしています。まさに「オールマイティ・ミュージシャン」です。アルバムのタイトル曲「雀」は発表されるや否や多くの若者を虜にしました。
夢を追い、人生を照らし出す
幼い頃、リー・ロンハオはいたずら好きで、よくけんかをして悪い子だと言われていました。しかし音楽は運命を変え、彼は9歳の時にギターを弾くことに熱中になりました。10歳の時、リー・ロンハオは初めて自分専用のギターを手に入れました。それからというもの、彼は音楽の世界で水を得た魚のように幸せを感じるようになりました。その後、音楽を勉強するために大学入試を3度受けましたが、いずれも落ちてしまいました。
しかし音楽の夢をあきらめず、レコード会社で働きながら勉強し、多くのミュージシャンのために編曲、和音の歌唱、ギター伴奏など、音楽的才能を活かしてたくさんのヒット曲を生み出してきました。そして、2013年28歳の時、ようやく自身初のソロアルバム「模特(モデル)」をリリースし、2014年の時点で台湾金曲賞を受賞しました。
中国最年少の音楽プロデューサー
2015年1月16日、オーディション番組「我是歌手」の第3期に参加した歌「モデル」で一躍有名になり、リー・ロンハオは稀にみるシンガーソングライターとして知られ、ポップ音楽界に注目される新たなパワーとなりました。
実は、一夜にして音楽界で有名になる前、リー・ロンハオが無名の音楽プロデューサーとして作った曲は数百曲に上ります。彼が莫文蔚(カレン・モク)のために作った「慢慢喜欢你(ゆっくり君を好きになる)」や薛之謙(ジャッキー・シュエ)のために作った「醜八怪(おかめ)」などは広く歌い継がれている流行歌です。また、多くの映画のテーマ曲やサウンドトラックを制作し、中国最年少の音楽プロデューサーと呼ばれています。
名曲「模特(モデル)」は「派手な衣装もなく、心の渇望のために立っている。灯りのほかに私は何を見ているのか、光のほかに私は何を求めているのか、あなた以外に何を頼りにしているのか」という歌詞のように、裏方のミュージシャンもステージの中央に立ってほしいという渇望とやりきれなさを歌っています。ショーウィンドーのモデルはいつまでもモデルですが、リー・ロンハオは10年もの間、自分が追い求めるモデルのために魂を音楽に注ぎました。リー・ロンハオの音楽の道がますます広がることを期待しないではいられません。
番組の中でお送りした曲
1曲目 麻雀(すずめ)
2019年12月にリリースされた6枚目のアルバム「老友記(旧友)」のタイトル曲です。「すずめ」は平凡な人に捧げる歌で、すずめのように平凡でありながらも、自分の未来を追求しようと努力している一般の人たちの共感を呼んでいます。
歌詞:
私は暗雲の中を飛んでいる
あなたは何もしない私を見ている
何度荒れた波に出会っただろう
私の心の中で
君は雪山の頂上に飛んだ
私はあなたの思い出の中に残っている
2曲目 老街(昔の巷)
遠方に出た旅人の故郷への思いを歌った愛情のこもった歌声が心に響いてくる一曲です。
歌詞:
色あせた写真
懐かしさを与えてくれたような気がする
路地裏のおじいさんが売っていた熱々のラーメン
そのおなじみの味は裏庭に漂っていた
野良猫が寝静まってブランコを揺らしている
夕日が細めた目を照らしていた
3曲目 爸爸妈妈(父と母)
2016年に発表され、両親への深い愛を表現した歌詞が聴いている人の涙を誘います。
歌詞:
父さんと母さんがくれたのは 少なくも多くもない
僕がこの時代を駆け回るのに十分だった
僕の生活には十分だ