北京
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米国は目下のところ、新型コロナウイルス感染症の第4波の感染拡大期に突入しつつある状況だ。「ニューヨーク・タイムズ」が示した最近の統計数字によると、米国では直近1週間に、1日当たりで11万8000人を超える新規感染者が確認された。新たに入院した患者数は1日当たり6万6000人を超えた。全米の多くの病院が、稼働能力の限界に近づいている。全米で新型コロナウイルスの感染が確診された人は累計で3600万人を超え、死者は61万人を超えた。いずれも世界最多だ。
この重い現実は、ブルームバーグが先ごろ発表した「米国は感染症対策のランキングで世界トップ」の論評を実に皮肉なものにした。同時に、中国のシンクタンク3機関がこのほど共同で発表した研究報告では、米国がその名に恥じない「世界一の感染症対策失敗国」である事実が検証された。
過去1年間余りの米国の感染症対策のタイムラインをさかのぼれば容易に見て取れることがある。政権担当者が政治上の利益を民衆の命よりはるかに高い位置に据え、そのことが米国の感染症対策に失敗した根本的原因に結びついたことだ。政治上の利益が至上のものであり、民衆の命は鴻毛のように軽い――この種の米国式感染症対策の冷酷な論理が、一連の常軌を逸した所業を生み出した。大統領が「新型コロナウイルス感染症についてのフェイク情報の最大の推進者」になり、真実を語る科学者や専門家は圧力を受けた。ウイルス起源についての陰謀論で責任の「なすりつけ」を推し進め、ウイルスの起源問題では「推定有罪」を行った。さらには、大量の人々が米国から出国することを放置することにより「ウイルスの輸出」を発生させて全世界に危害を及ぼした。米国の「感染症対策のシナリオ」は、時間経過とともに支離滅裂になっていった。
国内では感染症の拡大を抑止できず、国外では全世界の協力を破壊した――米国というこの「世界一の強国」が感染症対策で失敗したことは、この感染症が天災である以上に、人災であることを物語っている。ウイルスにとって政治は関係ない。ホワイトハウスの政策決定者が自らを改めて、命を救うことを感染症対策の出発点にしなければ、この「米国の悲劇」はどうにも止まらない。(CRI論説員)