北京
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中国南部地域の水を北部地域に送る「南水北調」プロジェクトの中線プロジェクトの通水後、北京の地下水水位は5年連続で上昇しました。2015年末から2020年末までの累計では3.72メートル上昇し、水生態環境が大幅に改善されました。
北京市は水不足が深刻な都市です。過去40年、地下水位は下降から下降停止、回復に至る過程を経てきました。
1980年から1998年までの地下水水位は上下動があったものの総じて下降を続けました。下降の速度は年間平均で29センチと、比較的緩慢でした。1999年から2015年にかけては連年の干ばつと経済社会の急速な発展に起因して水資源に対する需要が徐々に増加し、年平均82センチと急速な下降が発生しました。しかし2014年末に南水北調中線プロジェクトが通水したことで北京の水資源不足の問題は効果的に緩和され、2015年には地下水位が毎年低下する傾向が止まりました。
最新の統計によれば、2014年末から今年5月までに、南水北調により北京市にもたらされた水は累計65億立方メートル近く達し、水不足の問題が効果的に緩和されました。北京の中心部では南水北調の水の使用比率が70%に達し、使用者1300万人以上に及びました。(雲、鈴木)
備考:南水北調は、中国南部では水が多く、北部では水が不足していることを解決するための戦略的プロジェクトです。構想の開始は1952年で、当時の毛沢東国家主席が黄河を視察した際に提唱しました。南水北調計画区の人口は4億3800万人、水調達規模は448億立方メートルに達します。工事の本格的着工は2002年12月27日でした。工事全体は東、中、西の3路線に分かれており、東線工事の起点は江蘇省揚州市の江都水利中枢、中線工事の起点は漢江中上流の丹江口ダムで、給水を受ける区域は河南省、河北省、北京市、天津市の4省(市)です。