北京
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23/19
米ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、米情報部門のこれまで未公表の報告を引用して、中国の武漢ウイルス研究所の研究員3人が2019年11月に病院で治療を受けたと報じました。これを受けて、外交部の趙立堅報道官は24日の定例記者会見で、米メディアの報道は「全く事実無根だ」と訴えました。
趙報道官によりますと、中国科学院所属の武漢ウイルス研究所は今年3月23日に声明を発表し、「当研究所は2019年12月30日以前に新型コロナウイルスとの接触は一切ない」と明らかにした上で、「現時点(2021年3月23日)で、当研究所の研究員・職員・スタッフで感染したものはゼロだ」と報告しました。
今年1月、世界各国の専門家からなる世界保健機関(WHO)の合同調査団が武漢を訪問し、湖北省や武漢市の疾病予防管理センター(CDC)、武漢ウイルス研究所などを視察するとともに、バイオセーフティ実験室を見学し、関係機関の専門家と忌憚のない科学的意見を交換しました。中国での実地調査を終えたWHO調査団は、実験室での何らかの出来事がウイルスの引き金になったという仮説の可能性は「極めて低い」という結論に達しました。
米国側が今更ながらウイルスの実験室漏出論を煽り立てたことに対し、趙報道官は、「2019年の後半には世界の多くの場所で多数の新型コロナウイルスや感染症が発見されたとの報道がますます増えており、突然閉鎖された米メリーランド州のフォートデトリック陸軍基地内の米陸軍感染症医学研究所に関する疑念や、米国が世界各地に200以上もの生物実験室を設けている真の目的も国際社会の大きな関心を呼んでいる。米国側が実験室からの漏出論を喧伝しているのは、ウイルスの発生源に対する関心なのか、それとも国際社会からの注意を逸らすためなのか、世界に納得のいく説明をするよう希望すると共に、関係者が中国と同様に科学的で協力的な態度でWHOと協力して発生源を突き止め、今後起こりえる公衆衛生上の突発事態により良い対応ができるよう積極的に貢献すべきだ」と強調しました。(Lin、坂下)