北京
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動画スクリーンショット:乗客用車両を移動する羊
春景色の中を進む列車
ヒツジの群れが列車内を歩いて行く動画が21日、ネットで大人気になりました。撮影されているのは中国中部にある四川省涼山イ族自治州普雄鎮から同省の攀枝花南駅までの鈍行列車です。同列車は全長376キロを9時間をかけて走破し、27カ所の駅に停車します。運行開始は1970年で、最低2元(約33円)、最高26.5元(約441円)の運賃はほとんど変わっていません。
現地住民のニーズに応え、列車には家禽(かきん)・家畜専用車両が設けられています。豚やヒツジなどの家畜は専用車両に乗せられるのが普通ですが、この日は停車時間が短かったため、ヒツジはまず乗客用車両に乗せられてから、専用車両に移動させられました。いつもより騒がしくなってしまいましたが、文句を言う乗客は一人もいませんでした。乗り合わせたのは地元の人で、農家にとって家畜とは子供の教育費を生み出すものであり、家計の支えであると分かっているからです。
このように、安価な運賃で利用できる鈍行列車は、中国全国で162本が運行されています。いずれも国が、貧困地域の交通問題を解決するために設けたものです。各停列車は貧困脱却のために重要な役割を果たしています。(殷、鈴木)