北京
PM2.577
23/19
現地時間16日の日米首脳会談後に発表された共同声明の主題は、中国への共同対応だ。東海、南海、台湾、香港、新疆……。中国の主権と核心的利益に関わるこれらの問題全てが声明で言及されており、感じられるのは、日本は米国の駒であるということだ。日本経済新聞は、日本の現状について、「よく言えば頼りがいがあり、厳しく言えば使い勝手が良い」と論じている。
注目すべきなのは、今回の日米首脳による共同声明に、前回の会談を基礎として、初めて台湾問題が盛り込まれたことだ。これは重要な動きであり、日本が公然と中日関係の禁句(タブー)に踏み込み、極めて危険な一歩を踏み出したことを示している。日本による中国侵略の歴史と中国台湾植民の歴史を鑑みると、この一歩は間違いなく、将来の中日関係に劣悪な影響をもたらすことになるだろう。
中国ではいぶかしがっている人が少なくない。近年、中国との関係改善に意欲を示してきたように(中国国内から)見えた日本はなぜ、急に方向転換したのか。米国からの外圧は言うまでもないが、内的要因こそがキーポイントだ。米国を利用して中国を封じ込める戦略で自らが求めているものを実現する。これがすなわち日本の政治家が自発的になしていることなのだ。
菅義偉首相の今回の対応には現実的な思惑もある。日本は内閣の不十分な新型コロナ対応により感染の第4波に襲われている。また日本の2020年のGDP成長率はマイナス4.83%だ。菅内閣は、コロナ対応と経済の二重の失敗により、9月の自民党総裁選で支持を得るために、国内の矛盾を転嫁する機会を差し迫って必要としている。米国のバイデン政権は発足後、中国を競争相手とみなしているため、日本は求めていた機会をすぐに見つけられた。
中国の核心的利益に関わる台湾問題において、日本が米国と共に中国に挑戦するなら、何が待ち受けているかについて熟慮しなければならない。来年は中日国交正常化50周年の節目に当たる。菅内閣は本当に、この歴史的意義のある年を対抗という形で迎えるつもりなのだろうか。(CRI論説員)