【観察眼】英雄・烈士を称えるムード高まる その精神を次世代の支えに

2021-04-05 11:35  CRI

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 今年は4月4日が清明節であった。中国では古くから先祖や亡くなった家族を偲ぶ、お墓参りの日であると同時に、国家の独立と解放、繁栄と発展のために身を捧げた英雄や烈士たちを追憶する日でもある。

 今年の清明節を前に、山西省で烈士の遺骨を探し続けるお年寄りたちに注目が集まった。2013年、68歳から87歳までのお年寄り5人が、革命の聖地として知られる山西省陽泉市盂県で、烈士たちのための共同墓地の建設とともに、山奥まで足を運び、戦時中にバラバラに葬られた烈士の遺骨を探し出すことを始めた。この活動により、8年間で38人の遺骨が発見され、知られざる新たな歴史が次々と明らかになっていった。5人の行動の目的は、烈士たちの安息を願うとともに、今を生きる人々に過去の歴史を伝えていくことにある。

 英雄というのは、過去にだけ存在するものではない。祖国の平和と安定のために命を捧げる英雄たちは、現代の平和の時代にも現れている。昨年6月、中国・インド国境で紛争が発生した際に、インド側は中国との合意に公然と背き、実効支配線を越境して挑発行為を行った。一方的に始まった攻撃に対抗する形で繰り広げられた戦いの中で、中国国境警備隊員4名が英雄的な死を遂げた。 彼らの勇姿は今年2月に報道され、以来、国民の心を動かしてきた。今年の4月4日は彼らが犠牲になってから最初の清明節であり、全国の各界が様々な形で彼らの犠牲と献身に最上の敬意を表した。

 習近平総書記はこれまで、幾度にもわたって英雄たちのストーリーを語り、烈士たちを偲び、「過去の時代を振り返り、私たちは革命烈士に高い敬意を払わなければならない。私たちは常に彼らを覚え、心に留め、彼らの『赤い遺伝子』を伝えていくべきだ」と強調している。今年は中国共産党成立100周年に当たる。このような節目に、清明節に烈士たちを偲ぶ意義はより重要になっている。中国と党の100年は、数え切れないほどの先人たちが自身の命で紡ぎ出してきた歴史でもある。歴史とはただ偲ぶだけのものではなく、次の世代につなげるものだ。

 中国では近年、「烈士記念日」や「中華人民共和国英雄烈士保護法」が制定された。烈士への名誉毀損や冒涜行為が法的に処罰されるようになったほか、赤色観光(レッドツーリズム)と呼ばれる革命の聖地を巡る観光がブームにもなっている。英雄を称え、尊重し、英雄から学ぼうというムードが高まっている。英雄たちに力強く背中を押されながら、中国社会は着実に前へと進んでいくだろう。(CRI日本語部論説員)

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