北京
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中国人民銀行、中国銀行保険監督管理委員会、中国証券監督管理委員会、国家外貨管理局などの金融管理当局が26日、IT大手アリババ集団の金融関連会社「アントグループ(中国語: 蚂蚁集团)」を呼び出して事情聴取を行ったことをめぐり、中国の中央銀行である中国人民銀行の潘功勝副総裁はこれら4当局を代表して、事情聴取の様子について記者の質問に答えました。
まず、事情聴取の背景について、潘副総裁は、「中国共産党中央はフィンテックとプラットフォーマーの規範化と良好な発展を極めて重視している。このほど開かれた中国共産党中央政治局会議、中央経済活動会議では独占禁止と資本の無秩序な拡張防止の強化が布石された。金融管理をしっかり行うことに対しても、明確な要求を打ち出している。金融管理当局はそれに基づき、法律や規定に基づいて金融市場の監督管理を行い、公平な競争と金融市場の秩序を守っていく」と述べました。そのうえで、「アントグループが創設された後、フィンテックや金融サービスの効率向上に革新的な役割を果たしてきた。フィンテックとプラットフォーマー分野で重要な影響力がある企業として、アントグループは国の法律を進んで守り、企業の発展を国の発展という大局に取り込みながらも、企業の社会的な責任を負うべきだ」と指摘しました。
また、事情聴取の目的は「アントグループが中国共産党中央、国務院の関連精神を貫き、市場化・法治化の原則に則り、金融の監督管理、公平な競争、消費者の合法的権益を守るなどといった要求に基づいて、経営と発展のさらなる規範化を目指す」ことにあると話しました。
主な聴取内容について、潘副総裁は「金融管理当局が関連の法規と管理・規制の要求に照らし合わせたところ、アントグループの目下の経営には、コーポレートガバナンスの不健全性、コンプライアンス意識と法令遵守の意識の希薄さ、不当なサヤ取り行為などが見られることが分かった」などを主な問題点として指摘しました。
それらを踏まえた上で、管理当局はアントグループに対し、重点的な業務分野に対する見直しの要求を打ち出し、今後も密に話し合いを保っていくということです。
金融管理当局のフィンテックに対する政策の方向性について、潘副総裁は、「終始、フィンテック企業が実体経済を支え、プルーデンス政策を守ることを前提にしており、正しきを守ってイノベーションを行い、フィンテックが国内と国際の双循環の促進に力を注ぐことを支持する。今後の規制については、主として①独占の打破、不当競争の是正と取締り②すべての金融活動が法令順守を前提にし、各種不法行為に対しては容赦しない③法に基づいて財産権を守り、企業家精神を発揚し、市場主体の活力と社会の創造力を刺激し、世界における中国のフィンテック企業のコアコンピタンスの強化をしていく」という原則を強調しました。(殷、Yan)