北京
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和田(ホータン)は世界で2番目に大きいタクラマカン砂漠に接していて、降雨量が少なく昼夜の温度差が大きい。しかし、人々は知恵を絞ってこの地で生きている。于田(クリア)県の砂漠地帯では「紅柳大芸」という砂漠に生息する根菜のような植物がある。紅柳の枝は細く、年に2回水をやるだけで生息でき、生命力が強い。羊の串焼きが好きな人であれば、羊肉が紅柳の枝に刺されて焼かれたものを口にしていると思うが、あの赤み掛かった枝が紅柳だ。12月のこの時期は葉も枯れ、手で触るとぼろぼろと細い枝は落ちてしまう。しかし、この植物は生きていて、一年のうち5月と10月に大きめのサツマイモ大に生長した根を収穫することができる。紅柳大芸はクリア県の特産品で、新疆ウイグル族にとってはよく利用する漢方の一つだ。マンガンや鉄、カルシウムや銅などを豊富に含み、身体を温める効能があるため、寒い新疆では重宝される。
砂漠に生える紅柳
砂漠に生息する植物「紅柳大芸」
その栽培方法が興味深い。砂漠の中に枝が突き刺さっていると思ったら、それは植えられた紅柳で、引っぱると簡単に抜けてしまうので気を付けなければいけないが、そうして人の手で1本1本植えられている。また、砂漠の上に黒いホースが走っていて、この植物に水をやるための水利施設が整備されている。年に2回、時期になるとホースから水が引かれ、砂の中に浸透し、根を張った紅柳に届く仕組み。この水利施設は政府の援助のもと敷かれたもので、砂漠に多くの紅柳大芸を栽培することを可能にした。
砂漠に張り巡らされた水利施設
紅柳大芸は漢方になる根としてはもちろんだが、一番は砂漠化の抑制に大きな役割を果たしており、一石二鳥ということだ。砂漠化の広がりで近隣住民は引っ越すことを余儀なくされてきた。紅柳大芸の生命力を借りて、栽培農家が潤い、時間はかかるかもしれないが、砂一面に植物が植えられ、この地にまた人々が暮らせるようになればと願わずにはいられない。
取材:CK