北京
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外交部の華春瑩報道官は11日北京で、世界貿易機関(WTO)の上級委員会のメンバー全員が退任したことに対して、遺憾の意を表しました。
華報道官は、「上級委員会の機能停止は、WTOの紛争解決メカニズムの正常な働きに影響を及ぼし、多国間貿易体制に大きな打撃を与えた」と指摘しました。
米国側は上級委員会の最高裁判事の選考を妨害し続けているため、2019年12月11日から7人のメンバーで構成されるはずのWTOの上級委員会は1人だけとなって、新規案件を審理することができなくなり、上級委員会は機能停止に陥りました。さらに、今年11月30日に、上級委員会の最後のメンバーも任期満了を迎え退任しました。これで上級委員会のメンバーは全員退任することになりました。
華報道官は、関連する質問に答えた際、「紛争解決メカニズムはWTOの中核的な柱の一つで、『WTOクラウンの真珠』と呼ばれ、WTOが機能を履行するうえでカギとなる役割を持っている」と指摘したうえで、「中国は一貫して多国間貿易体制を維持し、上級委員会の再開に向けて弛まぬ努力を続けてきた。上級委員会が機能停止になった後、中国や欧州連合(EU)など119のメンバーが提案し、直ちに上級委員会のメンバーの選抜を開始するよう求めた。また、中国はEUなど42のメンバーと共に上級委員会の改革案を提出し、世界貿易機関の協議に積極的に参加し、選抜開始のための条件作りに努めてきた」と述べました。
華報道官はまた、「上級委員会という『真珠』は暗い危機に陥っているが、私たちは、多国間貿易体制を維持していく努力を止めることはない。中国側は引き続き、その他のWTOのメンバーと共に、上級委員会の機能の早期回復を推し進め、開放的かつ包括的で、無差別などWTOの核心的な価値や基本的な原則を断固として守り、自由貿易やルールに基づく多国間貿易体制を維持していく」と表明しました。(藍、星)