北京
PM2.577
23/19
5月に中断した第73回世界保健機関(WHO)年次総会が9日に再開されました。テドロス事務局長は開会のあいさつで、世界が一致団結して科学的な根拠に基づいた感染症対策を行うよう改めて呼び掛けました。
テドロス事務局長は、「新型コロナウイルスのパンデミックに対応するための世界的な取り組みの一環として、WHOのもとに立ち上がった国際協働の仕組み『Access to COVID-19 Tools Accelerator(ACTアクセラレーター)』は、ワクチンや診断ツール、治療法の迅速な研究および関連資源の公平な分配の促進において着実な成果を収めている」と述べました。
また、「世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスのパンデミックは、人民の健康、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)および世界の衛生安全が密接につながっていることを際立たせている。WHOは『3つの10億』目標を引き続き推進することを約束する。すなわち、基礎的な保健サービスを受けられる人を世界で10億人増やし、突発的な衛生事件が発生した際により良く保護される人を10億人増やし、健康と福祉が改善される人を10億人増すことだ」と述べました。
さらに、「差し迫って必要なのは新型コロナウイルスの感染拡大を抑制できるワクチンだが、貧困、飢餓、気候変動、不平等に対応する『ワクチン』は不足したままだ。これらの課題は絡み合っており、単独で解決することはできず、全世界が共通の目標と共通の未来のために一致団結する必要がある」と呼び掛けました。
WHOのブルース・エイルワード上級顧問は、「世界規模で展開されている並外れた活動により、来年3月ごろまでにこの危機の方向性と力学を根本的に変えられる状態になる可能性があり、ワクチンの市場投入も予想される」との見方を示しました。
今回の年次総会は9日から6日間の日程で開催されます。新型コロナウイルスの影響で、総会は引き続きオンライン方式での開催となっています。総会では、新型コロナウイルスのパンデミックを含む世界の保健分野が直面している最も差し迫った問題や緊急事態について議論します。(怡康、柳川)