北京
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ヤオ族が住む湖南省沙州村は十数年前は貧困家庭が村全体の3分の2を占めていました。しかし、2018年末に村民の一人当たり可処分所得は1万2000元(約18万6000円)に達し、村全体で貧困脱出を実現しました。
沙州村
貧困脱出の秘訣その1:中国共産党の活動を伝える観光資源
1934年11月、紅軍の女性兵士3人が沙州村に来て徐解秀さんの家に泊まりました。村を離れる前に3人は持っていた唯一の布団を切って、その半分を徐さんに残しました。徐さんは「共産党とは何なのか。一枚しかない布団でも半分を民衆に残す人たちなのです」と感慨深く言ったそうです。
「半分の布団」の彫刻(撮影:CMG記者 彭漢明)
徐解秀さん(中)一家が1980年代に撮った記念写真
「半分の布団の暖かさ」展示館(撮影:CMG記者 張暁鵬)
2016年10月に行われた紅軍の長征勝利80周年を記念する大会で、習近平総書記が「半分の布団」の話を感慨深く語ったことで沙州村はさらにその名を知られるようになりました。
共産党の史跡を巡る観光は2017年初めから次第に盛んになってきました。「半分の布団」に関する展示館、広場など一連の施設が整えられ、村は次第に変わっていきました。
観光客の増加は関連の産業チェーンの構築を促しました。2019年5月までに飲食、宿泊、教育研修、リゾート、生態観光などを結び合わせたシステムがテスト運営を始め、持続可能な発展が実現できました。
「半分の布団」の物語の主人公、徐さんの次男・朱中雄さん(中)の家族写真(撮影:CMG記者 彭漢明)
徐さんの孫・朱小紅さんが開いた村で最初の民宿。2020年6月、民宿前にいる朱さん
貧困脱出の秘訣その2:果物の栽培を力強く推進
習近平総書記は16日、沙州村を視察し、地元の貧困脱出の成果などを確認しました。
広さが160ヘクタールあるキウイ栽培モデル基地
キウイ栽培モデル基地は1ヘクタール当たりの生産量は1500キログラム、生産額は200万元(約3100万円)を超えます。
同村の貧困脱出の秘訣は詰まるところ、正しい目標を掲げた貧困扶助政策が実施されたことにあります。この政策は習総書記が7年前に湖南省十八洞村を視察した際に打ち出したもので、この7年間、全国で繰り広げられています。
湖南省西部にある十八洞村
2012年から2019年にかけて湖南省では747万の農村部の貧困人口、それに51の貧困県が貧困脱出を実現し、貧困発生率は13.43%から0.36%に下がりました。
今年の新型コロナウイルス問題について習総書記は、「中国共産党が約束した小康社会の全面実現、つまり、現行の基準の下で、農村部の貧困人口の全員が衣食に不自由しないこと、義務教育や基本医療、住宅が保障されるという目標は予定通りに達成しなければならない。この目標の実現にはいかなる口実も動揺も許されない」と強調しました。(Mou、浅野)