北京
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米国のトランプ政権は新型コロナウイルスの国内での感染が拡大し続けているにもかかわらず、来年7月のWHO(世界保健機関)からの脱退を国連に通知し、国際社会から批判を招きました。
世界的に権威ある英国の医学誌「ランセット」のリチャード・ホートン編集長は「WHOは世界の公衆衛生分野でこれ以上ない合法性と影響力をもっている。脱退することは自国の安全保障と外交、影響力を損ない、ワクチンの開発などWHOによる新型コロナウイルスへの対応にとってさらにマイナスだ」と指摘しました。
ロシア外務省のザハロワ報道官は「公衆衛生分野の国際協力の『政治化』に反対する。WHOからの脱退は建設的なやり方ではない。WHOは国際衛生協力で主導的かつ協調的な役割を発揮していくべきだ」との立場を示しました。
スウェーデンのアン・リンデ外相は「人類の健康を脅かす疾病への対応で世界はより多くの協力が必要である。スウェーデンとEUはこの立場を続けていく」と米国のWHO脱退決定に遺憾の意を表明しました。
ドイツのシュパーン保健相は「WHOの重要性は明白である。米国がWHOから脱退することは国際協力の推進を妨げている」としました。
英議会下院外交委員会のトム・トゥーゲンハット委員長(保守党)は「WHOは最貧国にとって公衆衛生分野の権威ある国際機関である。WHO脱退は誤った決定である」としました。
イタリアのロベルト・スペランツァ保健相は「米政府の選択は重大で誤りでもある」としました。
フランス国際関係戦略研究所(IRIS)のパスカル・ボニファス所長は「米国が一極主義を掲げて国際機関や協定から離脱を続けていることは現存の国際体系を破壊している」と指摘しました。(ジョウ/藤野)