北京
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米国北部ミネソタ州ミネアポリス市で25日、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に膝で首を押さえ付けられて死亡しました。それ以降、米国各地で白人警官の暴行と人種差別・格差に対する抗議デモが続いています。
ニューヨーク・タイムズの報道によりますと、アフリカ系が人口の20%にも及ばないミネアポリス市では、警察による武力行使の対象の60%がアフリカ系、2015年からの市警武力行使件数1万1500件のうち、アフリカ系を対象とした件数は6650件に上っています。人口のおよそ60%を占める白人を対象とした件数は2750件にとどまっています。
これまでの5年間で、アフリカ系に対する同市警武力行使の比率は白人の7倍となっています。警察が銃を突き付けて威嚇した最近の171件の68%、催涙ガスなどの化学刺激剤による武力行使1748件の66%はいずれもアフリカ系が対象です。また、これまでの5年間で警察に首を押さえつけられて意識を失った容疑者44人のうち27人はアフリカ系でした。
米市民自由連合(ACLU)報告によりますと、ミネアポリス市で警察に身柄拘束された事例として「公共の場での飲酒」などではアフリカ系が白人の8.7倍、さらに自動車保険に加入していない場合は白人の5倍となっています。
2016年7月、銃の所持許可証を持っている黒人男性のフィランド・キャスティルさんは警官に職務質問された際に射殺され、過失致死罪に問われた警察官には無罪判決が言い渡されました。
2012年以降、ミネアポリス市警に対するクレームは2600件超となっていますが、処分を受けた警官はわずか15人で、最も重い懲罰は40時間に及ぶ無給停職でした。
ミネソタ大学でアフリカ系アメリカ人とアフリカを研究するキース・メイズ教授は、「米国の正義は国民を平均しておらず、アフリカ系は公平な扱いを受けていない。こうした現状が続いていくならば、米国の正義は信じられなくなる」と示しました。
(ジョウ、星)