北京
PM2.577
23/19
日本からの中国への援助物資に『山川異域、風月同天』と
書かれている(写真はネットより)
二カ月余り前、この『山川異域、風月同天』(日本の古典である鑑真和上の伝記『唐大和上東征伝』からの引用。“山川域を異にすれども 風月天を同じうす”、離れていても繋がっているという意味。)という詩文は、中国のソーシャルネットメディアで話題となっていました。中国の新型肺炎抑制・予防において最も肝心な時期に、日本各界からいただいた様々な援助と同じように、中国国民の心に刻まれています。
現在、新型肺炎の感染が日本で引き続き拡大しており、中国政府と社会各界が日本に大量のマスクなどの援助物資を送っています。
“春暖雁北归,捎带心意越洋飞,羁绊衣带水。”
『鴻雁北 一衣帯水の 絆かな』(漢俳、春暖雁北归,捎带心意越洋飞,羁绊衣带水。雁が北に戻る春。気持ちを携えて海を渡る。一衣帯水の両国が絆で繋がっているという意味。)
『山川異域、風月同天』と呼応するように、優雅で善意のあるメッセージが、同様に中国から日本への援助物資の包装に見られます。
浙江省の企業が寄贈した2万枚のマスクが先日、東京に届きました。日本浙江総商会のスタッフは、それぞれの段ボールにカラーの紙を貼り、その上に、日本語の俳句、漢俳と俳画を書きました。
“春暖雁北归,捎带心意越洋飞,羁绊衣带水。”
(写真は俳句の作者 浙江大学経済学院の夏瑛氏より)
夏瑛氏は、日本で数年仕事した経験があります。4月中旬から、日本の新型コロナウイルスの感染状況が徐々に深刻になってきました。杭州の某企業は匿名で日本に2回目の寄贈を計画しています。夏瑛氏は、王衆一『人民中国』総編集長、浙江農業林業大学芸術デザイン学院の王玉紅副教授と、共同で、俳句、漢俳、俳画を融合した作品を創作しました。
“春暖雁北归,捎带心意越洋飞,羁绊衣带水。”(写真は夏瑛氏より)
3月下旬に、杭州のこの企業が日本浙江総商会を通じて、2万枚のマスクを寄贈しました。そのマスクは早稲田大学、東京大学などに配られています。
“春晖斗春寒,山川异域同风雨,共画同心圆。” (写真は夏瑛氏より)
『山川と 風雨を輪に 春霞』(漢俳は、春晖斗春寒,山川异域同风雨,共画同心圆。天候が厳寒から春に変わる頃、風雨を共にする隣国は、心を一つに一致団結するという意味。)
日本浙江総商会は夏瑛氏のアドバイスで、寄贈先ごとに物資に違う俳画を貼るようにしています。沢山の日本の友人はマスクを受けた後メッセージを送り、一目瞭然の俳句と俳画に感動したとのコメントを寄せました。
第一陣の物資が届いた際、受け取りに立ち会った
日本浙江総商会の林立会長(右から1番目)とスタッフ達(写真は夏瑛氏より)