北京
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「ソフト・パワー」の概念の提出者として知られる米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は26日、オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院東アジア経済研究所のウェブサイト「東アジアフォーラム」に、「新型コロナウイルス感染症は米国のリーダーシップへのテスト」と題した文章を発表しました。文章は「新型コロナウイルスの世界的大流行は、各国の依存度が強まりつつあることを表明している。米政府の国家安全戦略は大国間競争に過度に焦点を絞ったため、ウイルスとの戦いというテストには落第した」と指摘しました。その上で、「グローバルな挑戦に共に対応するため、米国は他国とさらに協力を密にすべきだ」と訴え、それに向けての一連のアドバイスを提案しました。
4月26日配信のジョセフ・ナイ教授の「新型コロナウイルスは米国のリーダーシップへのテスト」
ジョセフ・ナイ教授はまた、「米政府の国家安全戦略(および予算)のほぼすべてを大国、それもとりわけ中国との競争に集中させている。米国は自身と他国の実力の強弱だけを考えるのではなく、自身の努力により、共通の目標実現に向けて他の国をどう動かせば良いのかを考えるべきだ」と訴えました。また、情報化とグローバル化を前に、米国は世界最強の国であり続けるとしても、一国だけでは実現できない国際目標が多々ある」という考えも示しました。
ジョセフ・ナイ教授
ジョセフ・ナイ教授は異なった政策志向がもたらす結果についても分析し、「米政府は新型コロナとの戦いで国際協力を選ぶなら、より素晴らしい世界へと通じる地政学的ルートになる可能性があるが、現行の政策を継続していくなら、新型コロナウイルスはナショナリズム、ポピュリズムと技術使用の独占制をさらに深刻化するのみだろう」と警鐘を鳴らしています。(雲、Yan)
「東アジアフォーラム」に配信されたジョセフ・ナイ教授の寄稿のスクリーンショット