北京
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新型コロナウィルス感染症の影響で、外資の中国撤退論が叫ばれています。特に「日本やアメリカ政府は外資系企業の中国撤退に経済的支援を行う」などの声がソーシャルメディアで上がっています。
この声は、アメリカですでに再三上がっていますが、実際の措置はいまだに講じられていないようです。
一方、日本では4月7日に「新型コロナウィルス感染症緊急経済対策」が発表されましたが、サプライチェーン改革について「経済安全保障の観点から、生産拠点の国内回帰や多元化を強力に支援する」といった内容はあったものの、それは「中国」を対象にしているものではありません。さらに資金規模からみると、2486億円で、全体のわずか0.23%しか占めていないことから、この項目は重要事項としてとらえられていないようにみえます。
実際のところ、日本では労働力人口が不足し、労働力や土地のコストが中国よりかなり高いという現状です。また、アメリカでは生産設備や製造業人材の不足など厳しい課題を抱えています。
「外資の中国撤退論」について、中国商務部報道官は16日、「経済発展には内在する規則がある。現在、世界経済のサプライチェーンの形成は、各国企業が長年共同で選択してきた結果である」と強調しました。
なお、4月14日時点で、中国の大手外資系企業で生産再開率が70%を超えた企業は全体の72.8%を占めています。これは、中国で工業システムが完備されていることや最大の市場規模が存在することと関連していると言えます。
また、中国米国商会による「中国ビジネス環境調査報告2020」によりますと、インタビューを受けた企業の75%は、感染症の影響がどうであれ、中国での投資計画を変えることはないと表明しています。
また、習近平国家主席は今年のG20(金融世界経済に関する首脳会合)で、「世界産業チェーンやサプライチェーンの安定を共同で維持し、ビジネス環境の適正化を図り、世界経済の安定に寄与していく」との方針を示しています。(閣、CK)